2013 Fiscal Year Annual Research Report
唾液分泌機能を維持・再生するニューロンネットワークの解析
Project/Area Number |
23592731
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松尾 龍二 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30157268)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小橋 基 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (80161967)
寺山 隆司 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (60333689)
美藤 純弘 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20240872)
藤田 雅子 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助手 (40156881)
|
Keywords | 唾液分泌 / 唾液核 / 自律神経 / 顎運動 / 大脳皮質咀嚼野 / 摂食中枢 / ニューロンネットワーク |
Research Abstract |
本研究の目的は、唾液腺を支配するニューロンネットワークを解剖学的・生理学的に解析し、唾液分泌機能の維持・再生に関与する神経メカニズムを明らかにすることである。このために、免疫組織化学的実験と電気生理学的実験を中心に行なった。 免疫組織化学的実験では、ラットの唾液核(唾液腺を支配する副交感神経の第一次中枢)は、前脳(主に視床下部外側野、扁桃体中心核、室傍核、視索上核)から下降性制御を受けており、これらの上位中枢の神経は興奮性神経が主体であることが判明した。また下位脳の網様体には多数の抑制性神経も存在することが明らかとなった。なお唾液核との連絡が強い部位は、視床下部外側野(摂食中枢)、大脳皮質(咀嚼野)、下位脳の網様体であった。この所見から、唾液核には抑制系が作用しており、咀嚼などの唾液分泌が必要な時に、抑制が解除される機構があることが示唆された。 電気生理学的実験において、ラットの大脳皮質咀嚼野を電気刺激し、唾液分泌とリズミカルな顎運動を分析した。その結果、二つの咀嚼野を同定した。一つは臼歯部咀嚼様の顎運動を誘発すると同時に唾液分泌を誘発するする部位、今一つは前歯部咀嚼様または溶液摂取様の顎運動を誘発するが、唾液分泌を起こさない部位である。前者は、顎運動と唾液分泌を同時に司る広い意味での「咀嚼の中枢」であることを示している。 なお期間内に論文発表までに至らなかったが、以下の3点について、論文作成中である。1)咀嚼中枢は視床下部外側野(摂食中枢)との連絡があり、いわゆる「咀嚼-唾液反射」の経路を形成している。2)唾液核に対する抑制性入力と興奮性入力の経路を免疫組織化学的に示す。3)唾液腺体からの感覚神経を分析して、唾液腺の維持と再生に関連する感覚入力の特性を分類する。
|
Research Products
(14 results)
-
-
[Journal Article] Central orexin inhibits reflex swallowing elicited by the superior laryngeal nerve via caudal brainstem in the rat.2014
Author(s)
Kobashi, M., Mizutani, S., Fujita, M., Mitoh, Y., Shimatani, Y., Matsuo, R.
-
Journal Title
Physiology & behavior
Volume: 130
Pages: 6-12
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-