2011 Fiscal Year Annual Research Report
病態時における外分泌腺型水チャネル、AQP5の発現と機能調節の分子機構
Project/Area Number |
23592736
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
細井 和雄 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10049413)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤松 徹也 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (80294700)
長谷川 敬展 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (50447273)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
|
Keywords | アクアポリン5 / 唾液腺 / LPS / 遺伝子変異 / 鼓索神経切除 |
Research Abstract |
私たちは、唾液腺や涙腺などの外分泌腺ならびに肺における外分泌腺型水チャネル、AQP5の発現制御、機能制御を分子生物学的に調べ、その生理・生化学的機能を明らかにすることを研究目的としている。本研究では、特に遺伝子異常、炎症、内毒素、神経系の障害などのAQP5に対する生理学的病理学的影響を明らかにする。これまでにラットにおいて^<103>Gly>^<103>Asp遺伝子異常を見出した。この変異は水の通過経路から遠隔部にある第3膜貫通領域に存在し、Xenopus oocyteによる水透過アッセイでは変異は水透過活性には影響は認められなかった。しかし、変異分子は腺腔膜における発現は著しく低下し、細胞内のリソゾームへ取り込まれていることがLamp2やカテプシンDとの二重染色により明らかになった。疎水性アミノ酸であるGlyが著しく親水性のアミノ酸であるAspに置き換わったためその影響によると考えられた。他方、内毒素LPSは耳下腺のAQP5をダウンレギュレーションし、唾液の分泌を低下させることを見出した。そのメカニズムを調べ、TLR4を介したLPSのシグナリングの結果、活性化されるp-c-Fos,p-c-Jun、およびNF-κBの3種の転写因子が複合体を形成し、AQP5プロモーター領域に存在する2種のNF-κB応答エレメントに結合し、AQP5 mRNA合成のダウンレギュレーションを起こすことを明らかにした。この生理的意義について、現在さらに考察を行っている。最後に、顎下腺を支配している鼓索神経の切除(CTD)によって、mRNAレベルに影響することなく膜分画中のAQP5蛋白質レベルが減少することを以前に見出していたが、今回、CTDによってAQP5のオートファゴソーム及びリソゾームへの輸送がシーケンシャルに起こりこの水チャネルの代謝亢進が起こることを明らかにした。なお、CTDが特に唾液腺のアポトーシスを誘導することはなかった。
|
Research Products
(6 results)