2013 Fiscal Year Annual Research Report
唾液腺における水チャネルの細胞核移行機序の解明、新機能の探索と新機能による創薬
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23592738
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
石川 康子 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (40144985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄野 正行 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 技術職員 (60380101)
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Keywords | 水チャネル / アクアポリン-5 / 唾液腺 / 耳下腺 / 細胞核 / 脂質ラフト / 国際情報交換 |
Research Abstract |
管腔膜へ移動するAQP5は脂質・ラフトと共に移動することを既に示した(Am.J.Physiol.,289,C1303-1311,2005)が、核へ移動するAQP5の緒性質は不明である。そこで、1% Triton X-100(TX)で核膜のホモジネートを調製して遠心チューブの底に入れ、45%, 35%, 5%の蔗糖溶液を積層、240,000xg, 18時間スウィングロータにて遠心し、各フラクションを水チャネル・AQP5の抗体や脂質ラフトのマーカー・GM1やFlotillin-2の抗体を用いてをウェスタンブロッティングして解析した。管腔膜のAQP5は浮揚性の高い画分に存在していたのに対し、核膜のAQP5は浮揚性の低い界面活性剤不溶性画分に存在していた。また、TX可溶性画分にも多く存在した。 成熟(12週齢)と老齢ラット(18ヶ月齢)の雄性ラットに人工唾液 (特許、特願2013-022555、経口アンチエイジング剤として私共が開発した) 又は、水道水を飲用させて固形飼料にて3週間飼育した。成熟ラットでは水道水で飼育しても人工唾液で飼育しても、セビメリン(M3ムスカリン作用薬)刺激によるAQP5の管腔膜と核への移動に差が認められなかったのに対し、老齢ラットでは水道水を飲用しているとセビメリン刺激によるAQP5の管腔膜と核への移動に老性低下が認められた。しかし、人工唾液を飲用した老齢ラットでは、セビメリン刺激によるAQP5の管腔膜と核への移動の低下が解消された。 即ち、唾液腺のM3ムスカリン受容体が刺激を受容すると、AQP5は核膜にも移動して核内外の水移動に役割を果たすこと、核膜へ移動するAQP5が存在するvesicleは浮揚性において管腔膜へ移動するそれとは性質を異にすることを明らかにした。この移動には老性低下があったが、私共が開発した人工唾液を3週間投与することで解消できた。
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