2011 Fiscal Year Research-status Report
LPSで誘導される高OPN骨芽細胞の骨免疫学的解析
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23592739
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
坂東 健二郎 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50347093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松口 徹也 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10303629)
大西 智和 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30244247)
楠山 譲二 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70596105)
柿元 協子 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40274849)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | OPN / 骨芽細胞 / LPS / 高 OPN 骨芽細胞 / メカニカルストレス / ケモカイン |
Research Abstract |
骨分化培養系にグラム陰性菌の内毒素であるLipopolysaccharide (LPS) を作用させると、高 OPN 骨芽細胞が得られるが、この細胞が正常な骨分化をするかどうかを確認するため、アスコルビン酸含有分化培地で分化させ、骨分化マーカーの遺伝子発現を低 OPN 骨芽細胞を分化させた場合と real time PCR 法を用いて比較した。すると、opn の発現がや高いものの、alp, bsp, ocn の発現は低 OPN 骨芽細胞を分化させた場合と大きな差はなかった。この事から、高 OPN 骨芽細胞は低 OPN 骨芽細胞と同様の分化をすると考えられる。また、cot/tpl2 KO マウス由来の骨芽細胞を LPS 刺激すると、OPN の発現が野生型マウス由来の骨芽細胞よりも高くなる事から、高 OPN 骨芽細胞への分化は Cot/Tpl2 が抑制的に調節していると考えられる。 つぎに OPN がメカニカルストレスの受容に関わりがあるという報告があるので、高 OPN 骨芽細胞はメカニカルストレス感受性が高いのではないかと予想し、低出力超音波 (LIPUS) を照射して、ケモカインの遺伝子発現を検討した。すると、低 OPN 骨芽細胞に LIPUS を照射すると発現が高くなる、mcp-1, mip-1β, mip-3α, rankl などが、高 OPN 骨芽細胞に LIPUS を照射した場合は抑制された。予想に反して、高 OPN 骨芽細胞はメカニカルストレスの感受性が低いという事が示唆された。 また、高 OPN 骨芽細胞をマウスマクロファージ細胞株である RAW 264.7 細胞またはマウス骨髄細胞と共培養し、破骨細胞の分化誘導能を確認したところ、破骨細胞の分化が抑制された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の進捗状況により、当初の計画と研究の順序が前後しているが、このような場合も想定して、実験計画を建ててあるので大きな混乱はない。 高 OPN 骨芽細胞とメカニカルストレスの解析を前倒しして行ったところ、予想に反する結果だったが、発展性のある結果であったので、このまま続行していきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
申請者は、これまでに、LPS による骨分化の抑制はほとんどMyd88 を介しており、Cot/Tpl2 も一部関与している事を報告した。これらの結果を踏まえ、各種のシグナル分子の阻害剤を用いて、より詳細なシグナル解析を行う。具体的な方法として、LPS で高OPN 骨芽細胞を誘導する際に、シグナル分子の選択的阻害剤で処理し、高OPN 骨芽細胞で活性化されるシグナル分子の相互関係を解析する。これらの選択的阻害剤を用いて、23 年度I .の段階で明らかにした高OPN 骨芽細胞に特異的な遺伝子発現の誘導が阻害されるかを検討する。さらに、各遺伝子のプロモータのLuciferase reporter assay plasmidを作成し、特異的遺伝子のプロモータのどの部位が重要か、どのような転写因子が関与するか検討する。 また、高 OPN 骨芽細胞を誘導する際に LPS を用いているが、LPS は免疫系細胞を強く刺激するので、LPS 以外で高 OPN 骨芽細胞を誘導できる刺激因子を解析していく。具体的には、骨分化に影響を与える事が知られている刺激(各種Interleukin, Prostaglandin E2, Transforming growth factor αなど) により、未分化骨芽細胞を高OPN 骨芽細胞に誘導できる刺激がないか解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究に必要な実験設備は整っているので、試薬類やプラスチック器具、実験動物の飼料などの消耗品の費用としてほとんど使用する。また、一部を他の研究者と積極的な情報交換を行いたいと考えているので学会発表の旅費と研究実績の一部を学術雑誌に投稿するための費用として使用する。
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Research Products
(2 results)