2012 Fiscal Year Research-status Report
LPSで誘導される高OPN骨芽細胞の骨免疫学的解析
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23592739
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
坂東 健二郎 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50347093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松口 徹也 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10303629)
大西 智和 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30244247)
楠山 譲二 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70596105)
柿元 協子 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40274849)
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Keywords | OPN / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / ケモカイン / LPS / パルミチン酸 |
Research Abstract |
骨分化培養系にリポ多糖 (LPS) を作用させると、高 OPN 骨芽細胞が得られるが、この細胞が破骨細胞の分化にどのような影響を与えるかを確認するため、マウス骨髄由来マクロファージ (BMM) と共培養を行い、酒石酸耐性酸性ホスファターゼ (TRAP) 染色を行った。すると、高 OPN 骨芽細胞と BMM を共培養することにより、TRAP 陽性の多核細胞は減少したことから、破骨細胞の分化は抑制されたと考えられた。しかし、OPN を強制発現させたマウス培養骨芽細胞系 MC3T3-E1 細胞と BMM を共培養した場合、OPN を高発現していない MC3T3-E1 細胞と BMM を共培養した場合に比べ、破骨細胞の分化に優位な差は認められなかった。OPN を LPS で誘導した細胞と強制発現させた細胞で破骨細胞の分化への影響に大きな差があったことから、LPS が破骨細胞の分化に影響を与えている可能性があると考え、マウス培養マクロファージ系 RAW264.7 細胞と BMM を Receptor activator of nuclear factor-кB ligand (RANKL) を作用させて破骨細胞を誘導し、LPS による分化への影響を見た。すると、破骨細胞分化の初期に LPS で刺激すると、分化は促進されるが、trap mRNA の発現が高くなってくる後期に LPS で刺激すると、分化は抑制された。このことから、高 OPN 骨芽細胞の研究には LPS で誘導した細胞と強制発現させた細胞の両方で検討する必要があると考えられる。 次に、LPS 以外で骨芽細胞の OPN の発現への影響を様々な分子について検討したところ、飽和脂肪酸であるパルミチン酸刺激により、6時間で opn mRNA が半減した。今後、パルミチン酸の骨分化への影響を検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の進捗状況により、当初の計画と研究の順序が多少、前後しているが、このような場合も想定して実験計画を建てているので大きな混乱は生じていない。 また、パルミチン酸が opn mRNA の安定性に影響を与えている可能性があることを見出したので、今後の進展の視野が広がったという感触を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度において、骨芽細胞をパルミチン酸で刺激すると、6時間で、opn mRNA が半減することを見出したので、パルミチン酸の骨芽細胞への長期的な影響についても検討していく。これまでに、パルミチン酸は Toll-like receptor (TLR) を介して様々な細胞に影響を与えていることが報告されているので、TLR の下流シグナルである Myd88 および Cot/Tpl2 についてこれらの分子の遺伝子ノックアウトマウス由来の細胞を用いて検討する。 OPN には分泌型の sOPN と分泌されずに細胞内にとどまる iOPN という二つの isoform がある。前年度は sOPN を強制発現させた骨芽細胞を用いて研究を行ったが、今年度は iOPN を強制発現させた骨芽細胞でも研究を進めていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究に必要な実験設備は整っているので、試薬類やプラスチック器具、実験動物の飼料などの消耗品の費用としてほとんど使用する。また、一部を他の研究者と積極的な情報交換を行いたいと考えているので学会発表の旅費と研究実績の一部を学術雑誌に投稿するための費用として使用する。
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Research Products
(3 results)