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2011 Fiscal Year Research-status Report

ヘルパーT細胞の異常が引き起こす肥満の病態解析

Research Project

Project/Area Number 23592740
Research InstitutionKagoshima University

Principal Investigator

大西 智和  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30244247)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 松口 徹也  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10303629)
坂東 健二郎  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50347093)
楠山 譲二  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70596105)
柿元 協子  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40274849)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
KeywordsヘルパーT細胞 / 肥満 / 視床下部
Research Abstract

まず、MKP-M CS マウスの基礎的なデータを詳細に得るため、摂食と体重変化、飲料水と尿量の関係を離乳後から観察し、野生型マウス(C57BL/6)と比較した。その結果、MKP-M CSは摂食量、水分摂取ともに増加し、離乳期は同程度だった体重が離乳後増加していった。また、肝臓などの臓器の重量は変化しないが脂肪組織の増加が認められるので、中性脂肪、総コレステロールも増加している。 次に、食餌量からくる脂肪組織の (A) 脂肪組織を介する経路について脂肪組織からのシグナルと (B) 視床下部における摂食制御ペプチドについて調べた。(A)脂肪組織を介する経路:脂肪組織が分泌し食物摂取を制御するドミナントな因子としてレプチンが挙げられる。従って、脂肪組織をMKP-M CS マウスと野生型マウスから採取し、RNA を抽出した後、リアルタイムRT-PCR法によりレプチンmRNAレベルを比較した。しかし、どの時間帯も発現パターンに差が認められなかった。(B)視床下部における摂食制御ペプチドの検出: MKP-M CS マウス及び野生型マウスから大脳を取り出し、摂食制御ペプチドを空腹時と絶食後の摂食時で検討したところ、絶食後の摂食時に於いて空腹を示すシグナルであるNeropeptide Y の上昇が認められた。このことは摂食時に低下するはずの摂食ペプチドが残り、空腹感が残ることを示し、このことがMKP-M CS マウスを肥満に誘導している原因となっていることが考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

肥満が免疫系に与える影響については多くの研究がなされているが、逆に免疫系の異常が肥満を誘導する例については殆ど報告がない。これまでに、ヘルパーT(Th)細胞の分化に関わる分子MKP-MをT細胞特異的に不活化したためTh細胞の減少を示したマウス(MKPM-CSマウス)を作成したので、本研究の目標は、このマウスを用い免疫系の異常が肥満にどのように及ぼすかを検討することとした。平成23年度の到達目標は、1)摂食量、飲水量、体重増加を比較し脂肪代謝への影響を検討することであり、そのメカニズムとして2)脂肪組織を介する経路としてレプチンにフォーカスを当て検討し3)視床下部の摂食ペプチドの発現を検討することにあった。その結果、1)詳細な体重増加と摂食のデータを得ることができ、2)レプチンはMKP-Mマウスの肥満にはあまり関係ないことが判明した。さらに3)視床下部では満腹時にも摂食ペプチドであるNeropeptide Yの発現が増加することが判明しているのでほぼ、当初の計画通りの目標は達成できている。

Strategy for Future Research Activity

当初の計画通り胃・小腸を介する経路について摂食刺激シグナルであるグレリン、胃の膨張、消化管ペプチドで満腹シグナルであるコレシストキニンをターゲットとして、脂肪組織を介する経路と同様の方法を用いて胃・小腸からのシグナルと視床下部における摂食制御ペプチドについて調べる。 また、MKP-M CSマウスの摂食中枢へのシグナル経路が脂肪組織を介する経路及び胃・小腸を介する経路のどちらでもなかった場合、第3脳室周囲組織を介する経路を探る。MKP-M CS マウスのT細胞は分化に必要なJNK活性に異常があるのでIL-12の分泌以外のTh1やTh2サイトカインにも発現に異常が予想される。それらのサイトカインが第3脳室周囲組織を介する経路を介して視床下部に摂食制御のシグナルを送っていると考えられる。そこで、野生型マウスとMKP-M CSマウスに於いて抗サイトカイン抗体とCD4陽性を用いたFACScanで発現レベルを比較する。また、リアルタイムRT-PCR法によりサイトカイン発現レベルを調べる。 最後に、MKP-MCSマウスに発現の上昇が認められたサイトカイン類については、野性型のマウスに第3脳室にそのサイトカインを注入し摂食行動が促進されることを、MKP-MCSマウスに発現の抑制が認められたサイトカイン類については、MKP-M CSのマウスの第3脳室にそのサイトカインを注入し摂食行動が抑制されることを確かめる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

この実験に必要な研究設備などは本研究室に設置されているので、実験動物の飼育の費用や実験試薬及びプラスチック器具類の購入に研究費は使用予定である。また、他の研究者とも積極的に情報交換を考えているので、学会などの費用としても使用を予定している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2011

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 結紮誘導歯周炎モデルにおけるP. gingivalis感染が糖尿病マウスに及ぼす影響2011

    • Author(s)
      大西智和、町頭三保、坂東健二郎、楠山穣二、柿元協子、松口徹也
    • Organizer
      第53回歯科基礎医学会
    • Place of Presentation
      長良川国際会議場
    • Year and Date
      2011年9月30日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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