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2012 Fiscal Year Research-status Report

ヘルパーT細胞の異常が引き起こす肥満の病態解析

Research Project

Project/Area Number 23592740
Research InstitutionKagoshima University

Principal Investigator

大西 智和  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30244247)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 松口 徹也  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10303629)
坂東 健二郎  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50347093)
楠山 譲二  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70596105)
柿元 協子  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40274849)
KeywordsMKP-M / T 細胞 / サイトカイン
Research Abstract

メタボリックシンドロームを典型的な例として肥満が炎症系の免疫細胞に与える影響について多くの研究がなされている。しかし、免疫系の異常が肥満を誘発する事象についてはほとんど報告がなされていない。ヘルパーT細胞に発現が認められるMitogen activated protein kinase phosphatase – macrophage (MKP-M) に注目しのフォスファターゼ活性部位を変異させた MKP-M CSを調整した。そして、MKP-M CSをヘルパーT細胞特異的に発現するマウスを調整したところ、ヘルパーT細胞の異常のみ成らず肥満を示した。
このマウスの摂食活動を詳細に検討したところ、離乳時以降に摂食が増加し、脂肪組織のみの重量の増加が認められた。このことは、MKP-M CSマウスの体重増加が食欲増加によるものであると考えられた。
そこで、その食欲増加の原因を調べるため脂肪を介する系と胃や腸の消化器を介する系、そして第三脳室周囲組織を介する系の3つの経路に分けて解析した。第一の経路である脂肪を介する系については、正常マウスとMKP-M CSマウスにおいて脂肪が産生するレプチンに差がなかったことからMKP-M CSマウス肥満には余り関わりがないことが判明した。次に、すべての系に共通な視床下部における摂食制御ペプチドであるPOMC やNeuropeptitde Yの産生を検討した。摂食時及び飢餓時の正常型マウス及びMKPM-CS マウスから、視床下部を採取し比較した。その結果摂食時に低下するはずの摂食制御ペプチドであるNeuropeptitde Y の発現上昇が認められた。このことはMKP-M CSマウスに於いて摂食時も満腹感が得られていないということが考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度以降の計画は第3脳室周囲組織を介する経路、及び胃や小腸などの消化器を介する経路の検討である。まず、摂食状態または絶食状態の正常マウスとMKP-M CSマウス第3脳室周囲組織を組織学的に調べたところ、炎症精細胞の侵入などMKP-M CSマウスにおける組織学的な変化は認められなかった。そこで、第3脳室周囲組織である視床下部を採取し、IL-1やIL-6そしてTNF-αという炎症性サイトカインの発現を、正常型マウスおよびMKP-M CSマウスを用いて、摂食時および飢餓時の発現を調べた。その結果MKP―M CSマウスの飢餓時にIL-1およびTNF-αの発現上昇が認められた。この結果は、第三の脳室周囲組織を介する経路が働き、MKP-M CSマウスを肥満にしている可能性を示すものである。

Strategy for Future Research Activity

今年度は第3脳室周囲組織においてサイトカインの発現を検討したが、最終年度である次年度は胃における摂食シグナルであるグレリンや小腸の満腹シグナルであるコレシストキニンの発現を検討していきたいと考えている。
また、MKP-M CSマウスを用いて摂食時と飢餓時におけるCD4陽性T細胞の炎症性サイトカイであるIL-1やIL-6そしてTNF-αの発現をFACScanを用いて検討する予定である。そして、場合によっては第3脳室にサイトカインを注入し摂食行動が制限されるかということを検討し、第3脳室周囲組織の炎症性サイトカイン濃度の上昇が実際に摂食活動の上昇につながるかどうかを検討する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度の研究計画に必要な機材および研究設備は本研究科または本研究室に設備されている。よって、実験動物の飼育の費用や実験試薬及びプラスチック器具累の購入に次年度の研究費は使用予定である。また、情報収集のための学会の費用としても使用を予定している。

  • Research Products

    (3 results)

All 2013 2012

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Retention of fetuin-A in renal tubular lumen protects the kidney from nephrocalcinosis in rats2013

    • Author(s)
      Matsui I, Hamano T, Mikami S, Inoue K, Shimomura A, Nagasawa Y, Michigami T, Ohnishi T, Isaka Y et al.
    • Journal Title

      Am J Physiol Renal Physiol

      Volume: 304 Pages: F751-760

    • DOI

      10.1152/ajprenal.00329.2012

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] LPS-induced chemokine expression in both MyD88-dependent and -independent manners is regulated by Cot/Tpl2-ERK axis in macrophages.2012

    • Author(s)
      Bandow K, Kusuyama J, Shamoto M, Kakimoto K, Ohnishi T, Matsuguchi T.
    • Journal Title

      FEBS Lett.

      Volume: 586 Pages: 1540-1546

    • DOI

      10.1152/ajprenal.00329.2012

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] N-アセチルシステインによる活性化マクロファージにおける炎症性サイトカインの発現上昇2012

    • Author(s)
      大西智和、坂東健二郎、柿元協子、楠山譲二、松口徹也
    • Organizer
      日本生化学会
    • Place of Presentation
      福岡市
    • Year and Date
      20121214-20121216

URL: 

Published: 2014-07-24  

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