2013 Fiscal Year Annual Research Report
基底細胞から味蕾へ:コンディショナル遺伝子改変による分化とターンオーバーの解明
Project/Area Number |
23592742
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
三浦 裕仁 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (80353936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 歩 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (10398290)
原田 秀逸 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60128452)
大木 誠 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60596104)
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Keywords | 味覚 / 味蕾 / 細胞分化 |
Research Abstract |
タモキシフェン投与によって味蕾基底細胞でShhを発現する細胞に選択的に遺伝子組換えを誘導し、構成的にEGFPを発現させて、Shh基底細胞から分化する味蕾細胞種を解析した。グリア細胞の性質を持つI型, 甘味/苦味/うま味の受容を担当するII型, 酸味の受容を担当するIII型のそれぞれの細胞種に選択的に発現する分子に対する抗体を用いて、EGFP発現細胞の細胞種を解析した(I型細胞: NTPDase2、II型細胞:PLCβ2、III型細胞:Snap25)。II型細胞とIII型細胞の解析は組織切片を用いて行った。一方、II, III型細胞が紡錘形であるのに対して、I型細胞は薄く広がって周囲の細胞に巻き付いた形態をとる場合があるため、組織切片を使った免疫染色では定量的に解析することが困難であった。そこで、味蕾を含む上皮を剥離した後、味蕾細胞を解離し、ガラススライドに貼り付けて免疫染色を行い、I型細胞を解析した。その結果、軟口蓋、茸状乳頭、有郭乳頭いずれの味蕾でも、EGFPを発現する細胞の約50%がI型細胞であることが明らかになった。次いでII型細胞の割合が多く、III型細胞は最も少なかった。これまでの解析の結果は、短い周期で細胞が置き換わる味蕾では、味蕾周囲で増殖する細胞が増殖を停止してShhを発現する味蕾基底細胞となり、その後、I, II, III 型全ての味蕾細胞に分化することが明らかになった。
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