2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23592743
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
稲永 清敏 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (90131903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 堅太郎 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (40316154)
人見 涼露 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (70548924)
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Keywords | 内因性カンナビノイド / 脳弓下器官 / 飲水行動 / エタノール |
Research Abstract |
内因性カンナビノイドは脳損傷や神経細胞生涯、制限摂食、拘束ストレス、アルコール摂取などにより、中枢神経系や末梢臓器で増加することが知られている。われわれは、飲水行動調節機構に対する内因性カンナビノイドの関与を調べる目的で実験を行った。前年度までは、正常なラットを用い、脳スライス標本の脳弓下器官ニューロンよりパッチクランプ法にて、抑制性シナプス電流に対する内因性カンナビノイドの影響を調べた。その結果、脳弓下器官ニューロンのシナプス前膜に存在するCB1受容体を介して、γアミノ酪酸の放出を抑制することにより脳弓下器官ニューロンの活動が高まり、喉の渇きが促進されている可能性を示唆するデータを得ていた。この結果をもとに、ラット脳室内へのCB1受容体アゴニストであるWIN-522212の単独投与を試みた。しかし、WIN-522212の1μg-5μg/4μL投与では、顕著な飲水行動が観察されなかった。すなわち、電気生理学的実験により得られた結果を、動物の行動と結び付けることができなかった。内因性カンナビノイドは、飲水行動発現機構において、正常な状態では余り顕著なはたらきをせず、生体のバランスが破綻したときに機能を発揮することが考えられた。長期間のアルコール摂取により、内因性カンナビノイドが喉の渇きに関係した、中枢神経系や末梢臓器で変化することが知られている。今年度は、アルコール(あるいはアセトアルデヒド)の投与により、喉の渇きが誘発されるか否かを、ラットを用いて行動学的に観察した。ヒトで二日酔いを起こす程度のエタノール(あるいはアセトアルデヒド)の腹腔内投与により、水分および塩分摂取が有意に増加することが観察された。しかしながら、内因性カンナビノイドとの関与についての結果を得るまでには至らなかった。
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Research Products
(5 results)