2013 Fiscal Year Annual Research Report
唾液を用いた生体時刻測定法確立のための唾液腺特異的遺伝子の同定
Project/Area Number |
23592756
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
大西 芳秋 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 研究グループ長 (60233219)
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Keywords | 唾液 / 転写 / クロマチン / 生物時計 |
Research Abstract |
生体時刻を知ることは、クロノセラピー(時間治療)等、歯科を含めた医療現場において重要であり、非侵襲的に採取できる唾液を用いた生体時刻測定法を確立することは非常に有意義である。 昨年度までに、ヒト唾液腺細胞HSGを用いて唾液腺特異的な生物時計システムにより直接制御されうる遺伝子のうち概日リズム発現を示している遺伝子をChIP on Chipならびにマイクロアレイ解析により選択し、ポジティブコントロールマーカーであるRev-erb alphaを含めて、生体時刻測定マーカー候補16遺伝子をクロマチンレベルで同定した。このうちヒト正常唾液腺細胞を用いたRT-PCRにおいて9遺伝子の発現が確認された。本年度、この9遺伝子についてヒト唾液腺細胞HSGを用いてDexamethasone刺激後、定量RT-PCRにて詳細に検討したところ、概日リズム発現を示す生体時刻測定マーカー候補として4遺伝子を同定した。次に、これら概日リズム転写を示す4遺伝子について、ヒト唾液中における検出産物(タンパク)の検出可能性についてWestern blot解析にて検討した。さらに正常ヒト唾液を4時間おきに継時的に採取しWestern blot解析にて検討したところ、1遺伝子産物(タンパク)が十分な日内変動をしていることを見出した。これは、このタンパクが唾液中における生体時刻測定マーカータンパクとして利用できる可能性示唆している。 以上の研究より、唾液腺細胞に存在する末梢時計により直接制御されている唾液腺細胞遺伝子の同定に成功し、唾液を用いた本遺伝子産物(タンパク)による生体時刻測定法の確立の可能性が示唆された。
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