2013 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病の慢性化につながる歯周病菌の細胞外脱出の解明
Project/Area Number |
23592764
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森崎 市治郎 大阪大学, 歯学部附属病院, 教授 (30116115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 茂久 大阪大学, 歯学部附属病院, 准教授 (00283797)
村上 旬平 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (70362689)
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Keywords | P.gingivalis / エンドサイトーシス / オートファジー / 歯周病 |
Research Abstract |
歯周病原因菌の一つであるグラム陰性菌Porphyromonas gingivalis(以下P.g.)の主要な病原因子として報告されている。P.g.はエンドサイトーシスを介して細胞内に侵入し、多種多様な細胞機能傷害を引き起こす。しかし、P.g.の細胞内挙動については未解明な部分が多い。近年我々はP.g.が細胞内殺菌機構から逃れるためにリサイクリング経路と呼ばれる、細胞内輸送経路を利用し細胞外脱出と細胞への再侵入を繰り返し、結果として歯周病の慢性化を引き起こす可能性を示した。一方で、P.g.は細胞内分解機構であるオートファジーを利用し、細胞内での殺菌機構から逃れることも報告されている。 我々はオートファジー欠損細胞内でのP.g.の生存率が減少することを見出した。さらに興味深いことに感染初期の段階で特定のユビキチン関連タンパクと高頻度に共局在を示したことからP.g.は細胞内への侵入後、ユビキチン化、オートファジー機構による認識を経て細胞内分解機構から逃れている可能性が示された。これはP.g.がオートファジー機構を利用し、細胞内に生存し続けることで歯周病の慢性化を引き起こす可能性を示した重要な知見であると考えられる。 現在継続してP. gingivalisとオートファジーとの関連性について解析中である。細胞内に侵入したP. gingivalisを初期段階で認識する細胞側因子(特にユビキチン化関連タンパク質)に着目し、さらに作製済のP. gingivalisのミュータント株を用いて、P. gingivalisがどのようにオートファジーを利用し細胞内で生存を維持するかについて、一定の解析は終了している。
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Research Products
(7 results)