2011 Fiscal Year Research-status Report
高磁場MR撮影対応型非磁性血管内ステントおよび脳クリップの作製
Project/Area Number |
23592767
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
誉田 栄一 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30192321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 直樹 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10219272)
吉田 みどり 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教務員 (30243728)
細木 秀彦 徳島大学, 大学病院, 講師 (60199502)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 非磁性 / 生体内金属 / 3元系合金 |
Research Abstract |
白金、金の2元系での非磁性となる範囲を、白金の量を10%から40%の間で変化させ、検証した結果、白金の含有率が28%前後となるところが、理論的に磁化率0となることを確認した。その時の、ひっぱり強さ、ビッカース硬さなどの機械的性質を調べたところ、現在用いられている医療用金属材料としてのチタンと比較すると、軟らかいことが判明した。この機械的性質では、脳クリップなどの材質としては、不適であると考えられた。そこで、硬さを高めることを目的として、第3の金属元素を添加することで3元系の合金の作成をめざした。第3の金属元素としては、いくつか候補があげられた。そのなかで、生体親和性が高いこと、生体毒性がないこと、酸やアルカリなどに対する耐食性が優れていること、さらに金や白金との溶融できる割合が幅広く行えることなどの条件を考慮して、選択を行った。ニオブ、イリジウム、ハフニウム、タンタルなどを対象として、添加量を変化させた合金の作製を行った。その合金のMR撮像を行った結果、イリジウム、ハフニウム、タンタルでは、かなり大きな金属アーティファクトが出現し、金や白金の量を変化させても、ほとんど軽減できなかった。そこで、ニオブに対象をしぼり、MR撮影を行った。画像上からは、適切な添加量により、金属アーティファクトの出現がほとんど消失した。この結果から金を主体として、白金とニオブの量をそれぞれ独立に変化させた合金を数種類作成しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今までは金、白金の2元系の合金で、非磁性生体内合金をめざしていたが、非磁性合金となることは判明したが、生体内金属としては、機械的性質がやや劣っているという欠点も判明した。そこで、第3の元素を添加することで、機械的性質を上昇させることを試み、いくつかの金属により3元系の合金作製を行った。その結果、ニオブが最も適している可能性があることを発見した。
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Strategy for Future Research Activity |
金、白金、ニオブの3元系合金のなかで、どのような組成の範囲が最も機械的性質および非磁性となるのかを検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
合金作製のための、材料の購入や資料収集、他の研究者との検討会のための旅費などの経費
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