2012 Fiscal Year Research-status Report
高磁場MR撮影対応型非磁性血管内ステントおよび脳クリップの作製
Project/Area Number |
23592767
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
誉田 栄一 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30192321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 直樹 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10219272)
吉田 みどり 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (30243728)
細木 秀彦 徳島大学, 大学病院, 講師 (60199502)
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Keywords | 生体内金属 / 脳血管クリップ / 血管内ステント / Au-Pt-Nb合金 |
Research Abstract |
金、白金、ニオブの3元合金の中で適切な組成の範囲により1.5Tの臨床用MR撮影において、金属アーティファクトはほとんど認められないが、それらのいずれの組成の合金においても、硬さや弾性に関する機械的性質の限界も確認された。金属アーティファクトが診断に影響のない範囲内では、現在使用されている脳血管クリップやステント用コイルと比較して、十分な硬さおよび弾性が得られなかったことから、次のステップとして、熱処理方法をかえることで、機械的特性を改善することを検討した。熱処理方法としては、摂氏1000度以上で融解し、すべての金属が溶けある一定時間を経過後、ゆっくり冷却する方法、水中にいれることで水温付近まで急激に冷却する方法、さらに徐冷しながらある温度(摂氏600から700度程度)で一定時間経過後、室温まで徐冷または水中投入による急冷などのいくつかの方法を試みた。その結果、熱処理を行わないよりは、ある程度の機械的特性は向上するものの、実用的にはまだまだ課題が残った。次に、別の方法による生体内金属の作製の実験も並行して行った。生体内金属として、最初に使用されたステンレスを基にした合金作製を試みた。現在のステンレスには、ニッケルがふくまれているが、ニッケルアレルギーの問題があることから、ニッケルフリーの生体内ステンレス合金を目標とした。ステンレスのなかで、MR撮影可能となるのは、オーステナイト系であることから、その系を保ったまま、ニッケルを除くために、クロムの含有量を変えた合金を数種類作製した。さらに、生体材料として最も利用されて生きているチタンを主体として、MR撮影での金属アーティファクトを除去するために、別の金属をコーティングする、複合合金の作製も同時に行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Au-Pt-Nb合金はMR撮影では診断に支障のない金属アーティファクトととなり、満足のいく挙動を示しているが、機械的特性はまだまだである。しかし実際の医療材料(脳血管クリップやステント)の形状の基礎となる、クリップ状やコイル状の製作物のプロトタイプが完成した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.Au-Pt-Nb合金に別の金属を添加することで機械的性質を向上させる。添加金属の候補としては、チタン、ジルコニウムなどの生体親和性のあるものとする。 2.実際の医療材料(脳血管クリップ、ステントコイル)の形状に加工するための、基礎的な形状の作製を行う。 1)合金の線引きを行う。太さは0.1mm、0.5mm、1.0mmの3種類を基本として作製する。線引き後、コイル状にする。 2)脳血管クリップの形になるべく近い形とする。 3)ステントのもととなる、パイプ状とする。太さは3mm、5mm、10mmの3種類を基本として作製する。 上記の製作物の機械的性質およびMR像における金属アーティファクトの程度を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
金属購入費、合金の実用的な形状への加工費、研究打ち合わせ費用など 次年度への繰越額は金属購入費に使用予定である。
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