2012 Fiscal Year Research-status Report
顎関節疼痛を関節液蛋白濃度の可視化により診断するプロジェクト
Project/Area Number |
23592777
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
佐野 司 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (40241038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 哲 東北大学大学院, 歯学部, 教授 (60226850)
和光 衛 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (70211670)
音成 実佳 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (30276604)
坂本 潤一郎 東京医科歯科大学大学院, 歯学部, 助教 (40506896)
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Keywords | 顎関節 / MRI / 関節液 / 疼痛 / 蛋白濃度 |
Research Abstract |
本projectでは、fluid-attenuated inversion recovery (以下FLAIR) 法によりJEの蛋白濃度の差を視覚化することを試み、JEの蛋白濃度と疼痛の関連を明らかにすることを目的とする。そして、顎関節症の疼痛の新たなMRI診断法を開発することを最終的な目的とする。平成24年度に実施した研究の成果を以下に示す。[目的]われわれはFluid attenuated inversion recovery (FLAIR) 法を用い、顎関節のjoint effusionについて検討を行ってきた。第60回国際歯科研究学会日本部会総会では、顎関節症患者の関節円板状態により分類した4群間でFLAIR像上のjoint effusion(JE)の信号強度に有意差が見られ、顎関節症のstageによるJEの内容成分変化が示唆された。そこで今回は、各関節円板状態におけるFLAIR像上のJEの信号強度と疼痛との関連を検討することとした。 [方法]対象は顎関節のMR撮像が施行され、Larheimらのgrading分類でmoderate fluid以上のTMJ fluidが見られた45名48関節である。関節円板状態は、円板正常位置、復位性円板転位、非復位性円板転位、および変形性関節症の4群に分類した。FLAIR像上のjoint effusionについては矢島らの方法によりsignal intensity ratio (SIR)を算出した。SIRと疼痛との関連は、両側t検定により、有意水準を0.05として分析された。 [結果]非復位性関節円板転位群では疼痛群と非疼痛群の間でSIRに差が見られた。 [結論]非復位性関節円板転位関節では疼痛の有無によりjoint effusionの内容成分が異なることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は以下の研究成果を得られたことから、上記区分とした。[目的]われわれはFluid attenuated inversion recovery (FLAIR) 法を用い、顎関節のjoint effusionについて検討を行ってきた。第60回国際歯科研究学会日本部会総会では、顎関節症患者の関節円板状態により分類した4群間でFLAIR像上のjoint effusion(JE)の信号強度に有意差が見られ、顎関節症のstageによるJEの内容成分変化が示唆された。そこで今回は、各関節円板状態におけるFLAIR像上のJEの信号強度と疼痛との関連を検討することとした。 [方法]対象は顎関節のMR撮像が施行され、Larheimらのgrading分類でmoderate fluid以上のTMJ fluidが見られた45名48関節である。関節円板状態は、円板正常位置、復位性円板転位、非復位性円板転位、および変形性関節症の4群に分類した。FLAIR像上のjoint effusionについては矢島らの方法によりsignal intensity ratio (SIR)を算出した。SIRと疼痛との関連は、両側t検定により、有意水準を0.05として分析された。 [結果]非復位性関節円板転位群では疼痛群と非疼痛群の間でSIRに差が見られた。 [結論]非復位性関節円板転位関節では疼痛の有無によりjoint effusionの内容成分が異なることが示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
疼痛と信号強度比との対応の検討 本研究に対しインフォームドコンセントを得られた顎関節部に疼痛を有さないボランティアに対し、検討を行なう。平成24年度までに検討された基本的撮像法および撮像パラメータにより東京歯科大学千葉病院現有の1.5T-MR装置(Siemens Magnetom Symphony maestro class, Erlangen, Germany )を用い、顎関節撮像用コイル(主要設備)を用いて撮像を行なう(佐野、音成)。得られた像からjoint fluid部の信号強度を計測し、Yajima, Sanoらの方法により側頭葉の灰白質を対照として信号強度比を算出する。同様に顎関節部に疼痛を持ち、なおかつ本研究に対しインフォームドコンセントを得られた患者約30名に対しても同様の検討を行う。得られた結果より、疼痛と信号強度比の関連を検討する(佐野、高橋、和光、音成、坂本)。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
佐野司:平成24年度までに検討された基本的撮像法および撮像パラメータにより東京歯科大学千葉病院現有の1.5T-MR装置(Siemens Magnetom Symphony maestro class, Erlangen, Germany )を用い、顎関節撮像用コイル(主要設備)を用いて撮像を行なう。得られた像からjoint fluid部の信号強度を計測し、Yajima, Sanoらの方法により側頭葉の灰白質を対照として信号強度比を算出する。同様に顎関節部に疼痛を持ち、なおかつ本研究に対しインフォームドコンセントを得られた患者約30名に対しても同様の検討を行う。得られた結果より、疼痛と信号強度比の関連を検討する。(直接経費の所要額1,370,000円 請求額570,000円)高橋哲:得られた結果より、疼痛と信号強度比の関連を検討する。(直接経費の所要額100,000円 請求100,000円)和光衛:得られた結果より、疼痛と信号強度比の関連を検討する。(直接経費の所要額10,000円 請求10,000円)音成 実佳:得られた結果より、疼痛と信号強度比の関連を検討する。(直接経費の所要額10,000円 請求10,000円)坂本 潤一郎:得られた結果より、疼痛と信号強度比の関連を検討する。(直接経費の所要額10,000円 請求10,000円)
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Research Products
(6 results)