2012 Fiscal Year Research-status Report
唾液腺細胞の放射線障害に対するアミノチオール系防護剤の効果
Project/Area Number |
23592782
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
那須 優則 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (50130688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 貴 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (10366768)
井出 吉昭 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (70409225)
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Keywords | amifostine / WR-1065 / 顎下腺原基 / 器官培養 / 放射線 |
Research Abstract |
(目的)化学的放射線防護剤であるamifostineは静脈内投与された場合,唾液腺,骨髄,皮膚などに高濃度に分布する。特に唾液腺に対するamifostineの放射線防護効果が数多く報告されているが、唾液腺の発生過程の唾液分泌に関与する各細胞の機能面から評価した報告は少ない。唾液腺の分枝形態形成期に及ぼす放射線の影響、および化学的防護剤amifostineの効果を組織化学的,機能的に追究した。(方法)(1)マウス胎仔期15.5日目の唾液腺原基を分離、器官培養し、30分間10mMのWR-1065 (amifostineの活性型;還元型)に浸漬しX線 (0, 1, 5 Gy)を照射した。培養3日後を観察した。(2)妊娠15.5日目(プラグ形成を0.5日とする)の親マウスにamifostine(リン酸型;プロドラッグ)をX線(0, 1, 5 Gy)を照射する30分前にamifostine(リン酸型;プロドラッグ)を0.1mg/g投与した。実験(1),(2)ともにAQP3, AQP5, E-cadherinの組織化学的染色、PCR法による遺伝子のcDNA量、各タンパクのウェスタンブロット解析を行った。(結果)(1)マウス胎仔の器官培養した顎下腺、胎生の顎下腺ともに、放射線照射により唾液腺原基が委縮し、分枝形態形成が遅延した。(2)放射線照射により各遺伝子の発現、各タンパクの発現が低下した。 (3) mifostineがこれらの影響を軽減する傾向があることがわかった。(4)器官培養した顎下腺と胎生の顎下腺の間での放射線の影響および防護剤の効果の違いは得られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
器官培養した唾液腺に対する放射線の影響に差異が生じ、器官培養開始時期と放射線照射時期、観察時期の決定に時間を費やし、繰り返し実験を遂行している。
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Strategy for Future Research Activity |
使用予定動物の匹数が少なかったため、次年度使用額に差が生じた。翌年度以降に請求する研究と合わせ、動物、免疫染色およびウエスタンブロットに使用する抗体、連続切片からの3D構築像、PCRプライマーに使用予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度に生じた差額および実験動物、免疫染色用およびウエスタンブロット用抗体、PCR用プライマー、出張費、翻訳費、投稿費を次年度の研究費とする。
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Research Products
(7 results)