2011 Fiscal Year Research-status Report
咀嚼筋痛の治療効果予測のための定量的超音波elastography診断法の確立
Project/Area Number |
23592785
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
有地 淑子 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (60232063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木瀬 祥貴 愛知学院大学, 歯学部, 助教 (30513197)
有地 榮一郎 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (00150459)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 生体機能利用 / リハビリテーション / 超音波 / 咀嚼筋 / 組織弾性 |
Research Abstract |
本研究プロジェクトは、超音波elastographyを用いて咀嚼筋痛を有する顎関節症患者の咀嚼筋の形態・内部性状・血流動態・硬度情報を基にして、咀嚼筋痛の治療法の選択・治療効果を予測しうる定量的画像診断法の確立をめざすものである。当該年度ではその基盤として超音波elastographyの組織弾性の測定精度の向上および組織硬度を表示しうる超音波elastographyシステムの構築をめざした。 既存の超音波断層装置 LOGIQ E9および新規購入の硬さ・大きさ・輝度の異なる素材が埋め込まれた超音波弾性評価用ファントムを用いて、超音波elastographyにおける組織圧迫の訓練を行い、一定範囲の組織圧迫を実施できるようにした。その結果、組織弾性の測定精度は、検査者間CV=5.18%、検査者内CV=4.10%となり、臨床応用上十分な精度を確保できた。 次に超音波elastography(USE)解析ソフトウェアおよび生体硬度計を用いて、健常ボランティアの咬筋の関心領域の弾性数値および組織硬度を測定した。その結果、USEの弾性数値と生体硬度計による組織硬度との間には有意な相関がみられ(Kendall相関係数0.44)、超音波elastographyシステムの基礎づくりは達成できた。 現在、咀嚼筋痛を有する患者に対しオーラルリハビリテーションロボットによる筋マッサージ治療施行の同意を得て、治療プロトコールに従い筋マッサージ治療を施行するとともに、筋マッサージ前後において咀嚼筋の超音波elastographyの撮像を行い、咬筋・側頭筋の硬度・幅径・筋内部エコーの変化の検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究の目的は、超音波elastographyの組織弾性の測定精度の向上、および組織硬度を表示しうる超音波elastographyシステムの構築をめざすことである。前者に関して、超音波弾性評価用ファントムを購入し、超音波elastographyにおける組織圧迫の技術を習得し、組織弾性の測定精度は検査者間CV=5.18%、検査者内CV=4.10%となり、臨床応用上十分な精度を確保できた。後者に関しては、Elastography解析ソフトウェアを用いた関心領域の弾性数値と生体硬度計による組織硬度との間には有意な相関がみられ(Kendall相関係数0.44)、超音波elastographyシステムの基礎づくりは達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
咀嚼筋痛を有する患者に対しオーラルリハビリテーションロボットによる筋マッサージ治療施行の同意を得て、治療プロトコールに従い筋マッサージ治療を施行する。患者の咀嚼筋痛・開口制限・関節音・日常生活支障の程度を記録する。筋マッサージ前後において咀嚼筋の超音波elastographyの撮像を行い、咬筋・側頭筋の硬度・幅径・筋内部エコーの変化を記録する。筋硬度とマッサージ治療効果との関連を検討し,治療効果を予測しうる定量的画像診断法の確立をめざす。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
筋肉の弾性硬度と圧痛閾値を同時に測定可能な圧痛PEKを購入し、筋痛の程度を主観・客観的に把握できるようにする。咀嚼筋の状態や慢性疼痛のしくみを検討するために、MR装置を借用してMR検査を施行する。データ解析にパソコンを要する。研究補助および統計処理に関する専門知識の提供を必要とする。国内外の関連学会で発表する。また関連施設で研究打合せを行う。研究成果を投稿する。
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