2013 Fiscal Year Annual Research Report
知覚過敏抑制材の効果 光化学トレーサー法による象牙質透過性の解析
Project/Area Number |
23592792
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
兼平 正史 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30177539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石幡 浩志 東北大学, 歯学研究科, 助教 (40261523)
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Keywords | 知覚過敏 / 象牙質 / 透過性 / 光化学 / 抑制剤 / トレーサー法 |
Research Abstract |
知覚過敏処置後における症状の後戻りの原因とプロセスはいまだ解明されていない。理由としては症状に着目したin vivo解析および象牙質透過性を対象としたin vitroシミュレーションの困難さがあげられる。我々は、ルミノール化学反応を応用した象牙質透過性の定量的計測法を開発し、知覚過敏抑制材の効果を経時的に解析する手法を確立した。 我々の開発した装置では、ヒト象牙質の透過性を簡便にしかも透過量の瞬間的な変動を捉えた高速サンプリングをしている。23年度においてはこの装置の大幅な改造を行い、基本性能が以前に比べ5倍の感度で検知できるようになり、より精細な解析ができるようになった。 24年度では、象牙細管内に結晶を生成させる方法と類似の構造原理が考えられるスメア層を表面に生成する方法の効果検証を行い、象牙細管の透過性をシミュレートしながら形態学的に検討した。その結果、ごく微少な粒径の物でも透過性抑制効果は非常に高かった事から、結晶生成物を象牙細管内に生成させることには意義がある事を立証した。また、レジン系被膜を象牙質表層に作製してその成分が及ぼす影響についても検討した。その結果、時間の経過と共に特定成分の濃度が影響を与える事とレジン系成分の加水分解の影響が透過性に影響を与える重要な因子である事を明らかにした。 25年度ではリン酸カルシウム系等の材料を使用して象牙細管内に結晶を生成させる方法について、結晶生成状況を電子顕微鏡により確認しながら、象牙質透過性抑制効果について検討を開始した。これらの材料は生体適合性が高い材料と考えられているが、これらでは試料を保管する溶液で内部結晶の生成量や構造が変化する事が判明した。さらに塗布条件の違いや保管期間なども象牙質透過性に影響を及ぼしている事がわかった。今後より生体適合性の高い象牙質知覚過敏抑制材の開発に向け、さらなる検討を行う予定である。
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Research Products
(3 results)