2014 Fiscal Year Annual Research Report
Tooth Wear(咬耗)の診断基準策定のための生理的磨耗と象牙質露出調査
Project/Area Number |
23592794
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
石崎 裕子 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (60303161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 正義 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30156773)
児玉 臨麟 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10272824)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 咬耗 / 象牙質露出 / 咬合力 / デンタルプレスケール / 生理的咬耗 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会を迎え、Tooth Wearは象牙質知覚過敏と並びう蝕・歯周病に次ぐ第三の歯科疾患として注目されている。Tooth Wearは咬耗、磨耗、酸蝕に分類されるが、そのうち咬耗は加齢に伴って起こると捉えられている。初期の段階で来院する患者はまれで、多くは進行して症状が出現してから対応せざるを得ない。社会の高齢化に伴い、このような従来はみられなかった病態が多くなっており、今後ますます増加することが考えられる。ところが、Tooth Wear(咬耗)の疾病構造(罹患状況や罹患率)は明らかではなく、そのためTooth Wearの分類や診断方法について、その基礎的な資料に欠けているのが現状である。本研究の目的は、Tooth Wear(咬耗)と生理的なエナメル質の磨耗を関連づけて検索することである。 本研究から、初診時年齢18~22才の3年間のエナメル質の接触滑走面の磨耗量は59~281μm、咬合力は197~850Nで、個人差が大きく、両者の間に正の相関関係を認めた。3年の期間においては磨耗量が経時的に直線的に増加する傾向を認めた。現在歯数24~30歯の被験者の咬合面および切縁の象牙質露出の保有率は90%であった。20歳・30歳代ですでに象牙質露出がみられた。象牙質露出は前歯からはじまり、臼歯へと拡大する傾向があると推察された。年齢と象牙質露出率との間で相関が認められたが、咬合力および咬合接触面積は、いずれも象牙質露出率との間にほとんど相関は認められなかった。Tooth Wear Indexによる解析でも同様の傾向がみられた。被験者間で差が大きいことから、咬合力や咬合接触面積以外の要因も関連していることが推察された。
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Research Products
(8 results)