2012 Fiscal Year Research-status Report
MIの理念とエビデンスに基づくう蝕治療の合理的な診療ガイドの構築
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23592802
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
久保 至誠 長崎大学, 大学病院, 准教授 (80145268)
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Keywords | MI / 長期臨床成績 / ランダム化比較試験 / 補修修復 / モニタリング / う蝕の進行速度 / 判定基準 / 意思決定 |
Research Abstract |
1. HEMAの有無の影響を調べるランダム化比較試験(RCT)では、7年後の成績に大きな差は認められなかった。また、フロアブルレジンの7年生存率は86.5%を示したものの、ハイブリッドレジンに比較すると有意に低かった。2-ステップ・セルフエッチとエッチアンドリンス接着システムを用いた試験では14年まで脱落は認められなかったが、その後に2例が脱落した。5年以降の辺縁着色の発生は主に象牙質窩縁に認められ、歯肉退縮が関与していることが判明した。しかし、辺縁着色の発生率は8年経過後ほぼプラトーに達した。さらに、日常臨床の追跡調査も大きな脱落もなく継続できた。 15年以上にわたってくさび状欠損部コンポジットレジン修復の基礎と臨床研修をまとめ、国際歯科研究学会歯科材料部門の年会で特別講演を行った。さらに、講演内容を英文レビューとして表し、学術誌に掲載された。 2. う蝕のモニタリングでは、盲検法による進行度の3段階評価(停止、許容範囲内の進行、要修復)を行いながら、データの入力をほぼ終え、最終確認の段階に入った。 3. 欠陥のある修復物のモニタリングでも、う蝕と同様に口腔内写真を撮影しながら継続するとともに、症例のデータ整理と評価(停止、許容範囲内の進行、要修復)を終え、最終確認を始めた。 4. 補修修復に関しても、RCTと同様の評価基準と盲検法による臨床成績の評価を行い、入力を済ませた。また、「削るう蝕・削らないう蝕」という著書のなかで、リペア(補修修復)を分担し、その判断基準、修復法について著し、普及に努めた。さらに、う蝕治療のガイドラインの更新に向け、補修修復のエビデンス収集と改訂作業に着手した。 5. 修復物の生存時間、生存時間に及ぼす各種要因(患者、術者、材料、歯種)、判定基準に関して、これまで得られた成果をまとめ、国際接着シンポジウムで発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
医療教育開発センター歯科教育研修部門長の年度末退職および臨床研修指導体制の変更により、業務引継ぎやプログラム改変作業のために多大な時間が割かれた。さらに、国際学会、国際シンポジウムでの発表準備、講演内容のレビュー執筆に予想以上に時間がかかり、研究の遂行がやや遅れることになった。
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Strategy for Future Research Activity |
ランダム化比較試験のフォローアップを継続する。う蝕および欠陥のある修復物のモニタリング、補修修復の臨床成績に関しては、評価とデータ入力をほぼ完了したので、確認・解析作業に着手する。日常臨床における歯冠修復物の臨床成績については、データ入力を開始する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
歯冠修復物の臨床成績調査、モニタリングの入力データの最終チェックを行った後、解析作業に本格的に取り組む。研究成果をまとめ、国内学会、国際学会{フィラデルフィア(アメリカ)、バンクーバー(カナダ)、シャーロット(アメリカ)}で発表する。
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Research Products
(7 results)