2013 Fiscal Year Annual Research Report
MIの理念とエビデンスに基づくう蝕治療の合理的な診療ガイドの構築
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23592802
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
久保 至誠 長崎大学, 大学病院, 准教授 (80145268)
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Keywords | MI / 長期臨床成績 / ランダム化比較試験 / 補修修復 / モニタリング / う蝕の進行速度 / 判定基準 / 意思決定 |
Research Abstract |
1.3つランダム化比較試験(1-ステップ・セルフエッチにおけるHEMAの有無、コンポジットレジンの種類、接着システムのタイプ)を継続した。HEMAの有無の影響については、8年後の成績に大きな差は認められなかった。レジンの種類に関しては、フロアブルレジンの生存率は8年後も80%以上を示したものの、ハイブリッドレジンに比較すると有意に低かった。接着のタイプでは、試験に用いた2-ステップ・セルフエッチとエッチアンドリンスのいずれの製品もシステムも15年にわたって比較的良好な経過を示した。さらに、くさび状欠損部では、5年以降の辺縁着色は主に象牙質窩縁に発生し、歯肉退縮が関与していることが判明した。また、辺縁着色の発生率は8年ほどでプラトーに達することも明らかにした。 2.欠陥を有する修復物のモニタリング結果をまとめ、秋の国際学会で発表する。進行は遅く、10年生存率は83.4%であった。しかし、二次う蝕では約半数が10年までに再治療が施された。脱落症例から、歯頸部の辺縁着色は二次う蝕に至らないことが示唆された。 3.補修修復の結果をまとめ、国際学会で発表した。コンポジットレジンによる補修修復の10年生存率は68.3%と推計された。 4.う蝕のモニタリングでは、進行度(停止、許容範囲内の進行、要修復)の評価を行いながらデータを入力しているが、解析できるまでにまだ至っていない。 5.日常臨床における修復物の後向き調査結果まとめた論文が日本歯科理工学会の論文賞を受賞した。20年近く行ってきた、くさび状欠損のコンポジットレジン修復に関する基礎と臨床研究をまとめ、学術誌に発表した。研究成果を総括し、MIの理念とエビデンスに基づくう蝕治療の合理的な診療ガイドとしてまとめ、日本歯科医師会雑誌に投稿した(6月発行予定)。前向き研究としても15年以上経過したので、その成果をまとめて発表する計画である。
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Research Products
(6 results)