2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23592806
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
片山 直 明海大学, 歯学部, 教授 (10105596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 祥世 明海大学, 歯学部, 講師 (10223017)
岩坂 憲助 明海大学, 歯学部, 講師 (60424058)
坂上 宏 明海大学, 歯学部, 教授 (50138484)
梅村 直己 明海大学, 歯学部, 助教 (80609107)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 歯髄幹細胞 / 多血小板血漿 |
Research Abstract |
申請者は現在までに、ヒト歯髄細胞に洗浄血小板を添加し培養すると、同細胞の石灰化を効率的に促進することを明らかにしている。本申請課題において、この石灰のメカニズムを解明するため、セルソーターにより歯髄幹細胞を分取し、この幹細胞に対する洗浄血小板の効果を解析することを計画した。そこで、多量の歯髄幹細胞を効率的に採取するために、ラット歯髄より歯髄幹細胞を分取し、この細胞に対して多血小板血漿(platelet-rich plasma; PRP)、及び、PRPから血漿成分を除去した洗浄血小板(WPLT)を培養液に加え、どのような条件でラット歯髄幹細胞が効率的に石灰化されるか検証した。その結果培養液に洗浄血小板を3%付加すると有為にアルカリフォスファターゼの分泌が増加したが、PRPを加えて培養してもアルカリフォスファターゼの分泌は増加しなかった。また、培養液中のPRP濃度を増加させると歯髄幹細胞の分泌型アルカリフォスファターゼは減少した。さらに細胞増殖をCell counting kit-8を用いて観察した所、洗浄血小板を培養液に添加しても歯髄幹細胞数には変化が無かったがPRPを加えて歯髄幹細胞を培養すると有為に細胞数が増加した。また、ウエスタンブロッティング法にてアルカリフォスファターゼの発現を確認した所、3%洗浄血小板によりアルカリフォスファターゼの発現が上昇していた これらの結果から、PRPにはラット歯髄幹細胞の細胞増殖能を有するが、同歯髄幹細胞の石灰化を促進する働きは無い。その一方で、3%洗浄血小板はラット歯髄幹細胞の細胞増殖能は無いが、有為に歯髄幹細胞の骨様の石灰化を促進する事が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請者は現在までに、ヒト歯髄細胞に洗浄血小板を添加し培養すると、同細胞の石灰化を効率的に促進することを明らかにしている。本申請課題において、この石灰のメカニズムを解明するため、セルソーターにより歯髄幹細胞を分取し、この幹細胞に対する洗浄血小板の効果を解析することを計画した。PRPにはラット歯髄幹細胞の細胞増殖能を有するが、同歯髄幹細胞の石灰化を促進する働きは無い。その一方で、3%洗浄血小板はラット歯髄幹細胞の細胞増殖能は無いが、有為に歯髄幹細胞の骨様の石灰化を促進する事が示唆されたが、さらなるデータの蓄積が必要だと思われた。
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Strategy for Future Research Activity |
申請者は現在までに、ヒト歯髄細胞に洗浄血小板を添加し培養すると、同細胞の石灰化を効率的に促進することを明らかにしている。本申請課題において、この石灰のメカニズムを解明するため、セルソーターにより歯髄幹細胞を分取し、この幹細胞に対する洗浄血小板の効果を解析することを計画してきた。そしてさらなるデータの蓄積するとともに今後、ラット歯髄幹細胞において、象牙芽細胞への分化を確認した後、in vivoにおけるラット生活歯髄切断創に対する洗浄血小板の効果の確認し、さらに、ヒト歯髄幹細胞における洗浄血小板の効果の解析へ発展させる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ラット歯髄幹細胞において、象牙芽細胞への分化を確認した後、in vivoにおけるラット生活歯髄切断創に対する洗浄血小板の効果の確認し、さらに、ヒト歯髄幹細胞における洗浄血小板の効果の解析に使用。
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