2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23592806
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
片山 直 明海大学, 歯学部, 教授 (10105596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 祥世 明海大学, 歯学部, 講師 (10223017)
岩坂 憲助 明海大学, 歯学部, 講師 (60424058)
坂上 宏 明海大学, 歯学部, 教授 (50138484)
梅村 直己 明海大学, 歯学部, 助教 (80609107)
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Keywords | 硬組織再生 |
Research Abstract |
歯髄組織には多分化能を有する歯髄幹細胞(dental pulp stem cells; CSCs)の存在することが明らかになっていることから、本研究では末梢血由来の洗浄血小板もしくは多血小板血漿による歯髄幹細胞の効率的な石灰化を模索することを目的にしている。 昨年度、in vivoにおいてラット歯髄幹細胞は3%洗浄血小板により、有意に石灰化することを明らかにしたことから、ヒトから採取したヒト歯髄細胞を用いて、洗浄血小板により同様の結果が得られるか確認するために、ウエスタンブロッティング法によりアルカリフォスファターゼの発現やアリザリンレッドS染色によるカルシウム沈着の増加を計測した。しかしながら、ヒト歯髄細胞では洗浄血小板による石灰化能は確認できなかった。 そこで、研究実施計画にあるヒト歯髄細胞からの幹細胞の分離をMACS磁気細胞分離法(Miltenyi Biotec GmbH, Bergisch Glabach, Germany)を用いて幹細胞マーカーであるCD34を標的として分離した。そしてCD34陽性細胞が幹細胞の特徴を有しているのか検討するために、colony formation assayと細胞周期解析を行いCD34陽性細胞は幹細胞の特徴を有していることを明らかにした。 今後、さらにヒト歯髄CD34陽性細胞が幹細胞の特徴を有しているかウエスタンブロッティング法、RT-qPCRにより解析後、洗浄血小板による幹細胞の石灰化誘導能を検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
In vitroのラット歯髄幹細胞において、洗浄血小板の効率的な石灰化誘導条件の指標を定めたが、研究目的であるヒト歯髄細胞を用いた洗浄血小板の効率的な石灰化誘導条件やin vivoにおける生活歯髄切断創に対する洗浄血小板による歯髄組織の石灰化誘導能(第二象牙質形成能)の検証には至っていない。 しかしながら、本研究の進めるにあたり洗浄血小板による歯髄幹細胞の石灰化誘導を検証するためには、まずヒト歯髄細胞からのヒト歯髄幹細胞の分離、特徴解析、歯髄幹細胞の石灰化分化条件の検証は不可欠であるため、現在その歯髄幹細胞の特徴解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト歯髄細胞より、幹細胞を分離のため幹細胞マーカーであるCD133もしくはCD34陽性細胞をMACS磁気細胞分離法を用いて分離し、幹細胞の特徴をより強力に保持する分離法条件を規定する。その為に、ウエスタンブロッティング法にて幹細胞の特徴マーカーのタンパク発現の検出や上皮間葉転換(EMT)などの検証する。 その後、歯髄幹細胞の効率的な石灰化誘導条件を決定する為に、アスコルビン酸やβグリセロリン酸などの石灰化誘導物質をポジティブコントロールとして用いて、洗浄血小板による歯髄幹細胞の石灰化誘導能の検証をする。 並行して、実験的生活歯髄切断創に対する洗浄血小板の効果を判定するため、ラット実験モデルを作成する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上述したように、ヒト歯髄細胞より、幹細胞を分離するための磁気ビーズ抗体、幹細胞の特徴解析のためのウエスタンブロッティング、RT-qPCR試薬。さらにin vitro解析のための実験動物(ラット)購入を主に使用する予定である。
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