2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23592814
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
林 誠 日本大学, 歯学部, 准教授 (00301557)
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Keywords | 歯内療法用セメント / 硬組織形成 / calcium phosphate cement / 生体材料 / アルカリフォスファターゼ / 生体親和性 |
Research Abstract |
近年、歯内療法領域における代表的なセメントとして、Mineral Trioxide Aggregate(MTA)が挙げられる。MTAは高い生体親和性と辺縁封鎖性を有するが,臨床使用時の操作性の改善や生体に及ぼすメカニズム解明などの問題点が指摘されており,価格自体も高価な材料である。本研究の目的は,上記の問題点を改善できる新たな歯内療法用セメントの基礎的解析を行うとともに開発の一助にすることである。 平成23年度および平成24年度において,Calcium Phosphate Cement(CPC)の硬化時間と操作性を向上させたPremixed-CPCおよびフッ化物を添加してフルオロアパタイト(F)を形成するF-CPCを試作した。これらの材料を用いて骨芽細胞株を使用したin vitroの細胞培養実験およびラットを使用したin vivoの生体親和性実験を実施し,細胞増殖,ALPase活性,石灰化nodule形成,細胞分化マーカーの遺伝子・タンパク発現および組織切片から評価した生体親和性試験においてMTAと有意差は認められず,新たな歯内療法用セメントとしての可能性が示された。 平成25年度では歯内療法用セメントに使用可能な材料をさらに模索しながら,これまで開発した材料を使用し実験動物にて歯内療法処置(直接覆髄法)を施行した。評価の方法として飼育期間終了後に脱灰切片を作成し,病理組織学的検索をHE染色にて解析を行った。その結果,MTAと同様な硬組織形成反応を確認し,平成23年度および平成24年度の実験結果を裏付ける基礎的データーを取得することができた。これらのことから,本材料が臨床に応用できる可能性が示唆された。現在,マイクロCT撮影を使用した解析および穿孔封鎖処置に関しての評価を遂行している。
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Research Products
(11 results)