2013 Fiscal Year Annual Research Report
バイオアクティブ修復材料による象牙質再石灰化う蝕治療の確立
Project/Area Number |
23592817
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
秋本 尚武 鶴見大学, 歯学部, 講師 (40184113)
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Keywords | 再石灰化 / う蝕象牙質 / バイオアクティブ材料 |
Research Abstract |
う蝕治療は,う蝕検知液を指標としたう蝕感染象牙質の削除,そして歯質接着性コンポジットレジンで修復する方法が一般的に行われている.健全象牙質を大きく削除し機械的嵌合効力に頼った従来の治療法と比較して歯質保存的治療が可能である.ところが,う蝕検知液を指標として削除した象牙質表層,すなわち修復物の被着面となる象牙質には細菌感染がないもののう蝕原性菌の産生した酸により一部脱灰しており,構造的に健全象牙質より脆弱化している.接着修復の臨床的長期耐久性を確実なものにするためには,接着界面の早期の再石灰化が望まれる. 研究代表者は,ここ数年臨床で使用されている生物的機能(バイオアクティブ)効果を持った材料による象牙質接着界面の早期再石灰化に注目し研究を行った.研究期間を通して明らかになったことは,1)研究対象とした各修復材料自体からの各種ミネラルイオンの徐放,2)修復システムとして使用した場合における各種ミネラルイオンの徐放,の2点である.本研究の最終目的は,これらの材料によりう蝕脱灰象牙質に対し修復後にミネラルイオンが持続的に供給され,脱灰象牙質が再石灰化していることの確認である.最終年度においては,in vitroにより人工う蝕脱灰象牙質に対するバイオアクティブ材料の有効性を検証するため,修復後の脱灰象牙質の状態を超微小押し込み硬さ,組成分析,FE-SEMそしてTEM観察により評価することを目的としたが,実験計画より大幅に遅れており,計画した全ての結果が得られておらずまだ結論が出るまでに至っていない.今後,う蝕治療の新たな指標となるよう,研究を継続し得られた成果を発表して行く予定である.
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