2013 Fiscal Year Annual Research Report
顔貌評価における主観的指標と三次元計測に基づく客観的指標の相互連関に関する検討
Project/Area Number |
23592832
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
土井 直洋 東北大学, 歯学研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (00466533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 啓一 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (30178644)
小山 重人 東北大学, 大学病院, 准教授 (10225089)
塙 総司 東北大学, 大学病院, 助教 (90431585)
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Keywords | 顔面整容 / 顔面計測 / 義歯床形態 / 咬合高径 / 三次元デジタイザ |
Research Abstract |
本研究では,顔貌の主観的評価と整合性の得られた客観的評価指標を得ることを目的として,上顎無歯顎患者の義歯床縁・床翼研磨面形態,咬合高径,下顎位を変化させたときの顔貌を術者および患者による主観的評価ならびに三次元デジタイザによる客観的評価を行い,主観的評価と客観的評価の関連性を明らかにすることである.本年度においては,主観的に顔貌に異常が認められなかった上下顎無歯顎患者3名を用いた.計測点は,両側の鼻翼上点,鼻翼中点,鼻翼下点,口角点,鼻下点,上唇点とした.実験義歯はまず通法により製作した.義歯非装着時,義歯装着時,咬合高径を大臼歯部で1.5 mm低下させた義歯装着時,咬合高径を1.5 mm挙上した義歯装着時の顔面三次元データを三次元非接触デジタイザにより撮影し,各実験義歯を装着した時の顔面形状の比較検討を行った. 正常な咬合高径と1.5 mm低下させた時を比較すると,2名の被験者においては計測点の移動量は0.5~2.1 mmであった.ヒトが顔貌の変化や違和感を認識するのは3 mm以上の変化がないと起こらないという報告から,この範囲の変化は顔貌に影響を及ぼすほどの移動量ではないと考えられる.もう1名の被験者においては,鼻下点に垂直方向に3.0 mmの変化が認められた. 正常咬合高径と1.5 mm挙上させた時を比較すると,2名の被験者においては計測点の移動量は0.7~2.3 mmであり,変化量は少なかった.もう1名の被験者においては,上唇点に7.8 mmの変化が認められ,7.2 mm下方に移動した.口角点では4.6 mmの変化が認められ,鼻下点と同様に下方成分が多かった. これらの結果より,咬合高径が鼻翼周囲の顔面形態に影響を及ぼさないことが明らかとなった.一方で,鼻翼下点よりも下方にある鼻下点,上唇点,口角点は,咬合高径の変化によって形態が変化する可能性があることが示唆された.
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