2011 Fiscal Year Research-status Report
粘着シリコーンの接着機構の解明と義歯床粘膜面応用に関する研究
Project/Area Number |
23592834
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 奈央子 東北大学, 歯学研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (80510015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 啓一 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (30178644)
小山 重人 東北大学, 大学病院, 准教授 (10225089)
塙 総司 東北大学, 大学病院, 助教 (90431585)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 粘着シリコーン |
Research Abstract |
頭頚部腫瘍治療後の患者の口腔内は、顎骨切除、粘膜の瘢痕化や脆弱化、放射線治療による唾液量減少、などにより義歯装着に対して非常に不利な環境になりやすく、義歯安定剤使用を余儀なくされる場合もある。しかし、強力な安定剤は除去が困難であり、義歯や口腔内の残留物は粘膜の炎症を引きおこす原因となる。従って、口腔粘膜への痛みを緩和し、接着力を有する義歯の開発が求められている。一方、頭頚部腫瘍・外傷・先天的欠損による顎骨・顔面欠損は、咀嚼・発音・嚥下などの機能障害ならびに審美障害を生じ、患者のQOLに多大な影響を及ぼす。顔面エピテーゼはシリコーンエラストマーなどで製作され、日本では接着剤が多く用いられているがアレルギー、正確な位置へのエピテーゼ装着困難、付着した接着剤除去困難などの欠点がある。そこで、新たなエピテーゼ維持方法として、シリコーンが低アレルギー性であることに着目し、接着性を有する粘着シリコーン開発を進めている。本研究の目的は、義歯床粘膜面応用に対する粘着シリコーンの所要条件検索である。引張接着強度試験:義歯床レジン/粘着シリコーンサンプルにおいて、粘着シリコーン4mmグループは8,12mmグループよりも優位に大きいpeak load(N)を示した。しかしながら、4,8mmにおいて、いくつかのサンプルでレジンとシリコーンの境界面において剥離がみられた。今後、義歯床レジン重合程度とシリコーン填入のタイミングについての最適時期、粘着シリコーンの最適な厚さを検索し、境界面での剥離防止。また、粘着シリコーンの劣化、唾液存在下における機械的性質についての検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
震災の影響で、研究施設、設備の使用制限があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
1.フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)による分析、 高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による分析2.1)前年度の実験から、いくつかのサンプルにおいて、引張接着強度試験後にレジンとシリコーンの境界面において剥離がみられた事より、粘着シリコーン:キャタリスト/ベースシリコーン混和比 (CBR)1/40,1/50,1/60について、最適なシリコーンの厚みの検索が必要である。2) 義歯床レジンの(1)初期硬化前(2)初期硬化後(3)完全硬化後の群に分けて、義歯床レジン重合程度とシリコーン填入のタイミングについて最適時期を検索。3) 1)2)より、義歯床用レジン, 最適厚みを有する粘着シリコーンのサンプルについて、義歯床用レジン:加熱重合型(アクロン,GC),マイクロ波重合型(アクロンMC,GC)粘着シリコーン:キャタリスト/ベースシリコーン混和比(CBR)1/40,1/50,1/60これらの組み合わせからなるサンプルについて、引張接着強度・圧縮強度などを測定し、材料の最適条件、所要条件を検索する。3.これらの結果より絞られた、最適な組み合わせの候補2タイプについて、以下の試験を行う。1) 劣化についての検討、走査型電子顕微鏡により表面構造観察(吸水による影響(水中浸漬試験)、エタノールやアルカリによる影響(薬液浸漬試験)、機械的ストレスによる影響(繰り返し負荷試験)、口腔内の温度変化による影響(サーマルサイクリング試験)2) 唾液存在下における機械的性質についての検討(引張接着試験、曲げ・圧縮強度の分析)
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品:FTIR解析ソフト、HPLC測定用器具・機材、実験義歯サンプル製作費、シリコーン謝金等:実験補助、外国語論文校閲その他:印刷費、機械修理費旅費:資料収集、成果発表を目的とした学会参加費
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] 可撤性部分床義歯装着患者の残存歯歯周組織状態に対するメインテナンスケアの効果2011
Author(s)
冨士岳志, 花渕 静, 小山重人, 依田信裕, 佐々木具文, 横山政宣, 小川 徹, 塙 総司, 佐藤奈央子, 重光竜二, 末永華子, 折居雄介, 赤塚 亮, 白石 成, 竹内裕尚, 佐々木啓一
Organizer
第120回日本補綴歯科学会学術大会
Place of Presentation
広島国際会議場、広島市
Year and Date
2011年5月20-22
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