2011 Fiscal Year Research-status Report

歯槽骨の骨構造変化を指標とした骨粗鬆症診断法の開発　―歯科臨床からのアプローチ―

Research Project

Project/Area Number	23592839
Research Institution	Niigata University
Principal Investigator	田中みか子新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (20361909)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	野村修一新潟大学, 医歯学系, 教授 (40018859) 江尻貞一朝日大学, 歯学部, 教授 (40160361) 依田浩子新潟大学, 医歯学系, 准教授 (60293213) 山田一穂新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (20397152) 田中礼新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (30323992)
Project Period (FY)	2011-04-28 – 2015-03-31
Keywords	歯科用コーンビームCT / 骨粗鬆症 / 下顎 / 歯槽骨 / 骨梁構造 / マイクロCT
Research Abstract	新潟大学倫理委員会の承認を受けるための準備を行ったが、X線被曝量の考慮が必要であることを指摘され、被験者を75歳以上の高齢者に変更することを検討中である。　また今年度の第一の研究目的であった、歯科用コーンビームCT装置の撮影手法を確認することに関しては、乾燥頭蓋骨を用いてファントム撮影の検討を行った。乾燥頭蓋骨の下顎骨部分を異なる2方向から歯科用コーンビームCTで撮影し、得られた3次元構築画像を比較検討した結果、方向を変えて撮像した3次元構築骨梁構造には、方向性の違いによる歪みが生じていないことが検証された。　さらに、同一の頭蓋骨を歯科用コーンビームCT装置で撮影した。得られた乾燥頭蓋骨の微細骨構造を、高解像度マイクロCT装置により撮像された3次元微細構築画像と比較した結果、両者には明らかに解像度の相違があることが明らかとなり、これらの結果が3次元骨形態計測の計測値に与える影響について検討を開始した。さらにこれまでに歯科用コーンビームCT装置で撮影された臨床データを数例解析し、ヒト下顎歯槽骨の骨梁構造の検索を行い、乾燥頭蓋骨から得られた3次元構築歯槽骨骨梁構造と比較したところ、ヒトの歯槽骨では、バックグラウンドが不規則に高くなっており、皮膚組織が少なからず影響を与えることが明らかとなり、この影響を明らかにするために、今年度購入した3次元骨形態計測ソフトウエアを用いて詳細な検討を開始した。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 3: Progress in research has been slightly delayed. Reason 当初、今年度中に倫理委員会の承認を得る予定であったが、被曝量が問題を指摘され、再検討を余儀なくされている。しかし、これについては、被験者の年齢層を変更することで対処できる見込みである。　一方、倫理委員会の承認なしに遂行できる基礎データの収集については、ほぼ計画通りに遂行できており、全体としては八割方遂行できたと考えている。
Strategy for Future Research Activity	今年度やり残した内容を早急に遂行するとともに、当初の計画どおりに進める予定である。　倫理委員会の承認を得て、被験者を75歳以上の高齢者に限定した上で、臨床データの収集を開始する。文書にて本研究の内容を説明し同意された、歯科インプラント植立予定の患者様の顎骨を、歯科用コーンビームCTを用いて撮像する。また、採血・採尿による骨代謝検査、骨密度測定を行う。インプラント植立手術時に、歯槽骨組織を生検材料として採取し、歯槽骨の微細骨構造をμCTを用いて解析する。　歯科用コーンビームCTで撮影された骨梁構造と、高解像度マイクロCTを用いて撮影された骨梁構造について、両者の特徴を検討し、具体的にコーンビームCT画像で映し出すことができない骨梁はどういう性質のものかを特定する。すなわち、歯槽骨のコーンビームCT画像と、摘出骨のμCT画像とを3次元的に重ね合わせ、骨形態計測学的に比較検討し、撮像法の違いによる骨梁構造の描出の違いを明らかにする。
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding	本研究では、次年度も新たな設備・備品は必要としない。　消耗品については、メディア類、組織切片作製に必要な薬品およびガラス器具、文具等を購入する予定である。　旅費の使途としては、骨形態計測学会、日本歯科補綴学会等、骨粗鬆症学会に出席することを予定しており、さらに研究分担者の江尻（岐阜・朝日大学）との研究打ち合わせも数回予定している。　さらに、今年度は英文校閲の費用も見込んでいる。　特に大きな研究計画の変更はないと考えられ、翌年度以降についても、当初の計画通りに研究費を使用していく予定である。