2013 Fiscal Year Research-status Report
歯槽骨の骨構造変化を指標とした骨粗鬆症診断法の開発 ―歯科臨床からのアプローチ―
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23592839
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田中 みか子 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (20361909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 修一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40018859)
江尻 貞一 朝日大学, 歯学部, 教授 (40160361)
依田 浩子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (60293213)
山田 一穂 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (20397152)
田中 礼 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (30323992)
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Keywords | 歯科用コーンビームCT / 骨粗鬆症 / 下顎骨 / 歯槽骨 / 骨梁構造 / マイクロCT / 頸椎 |
Research Abstract |
歯科用コーンビームCT装置(以下、歯科用CBCT装置)を用いた撮影の術式確認、撮影条件の決定までを行うことができた。以下、2例の被験者について収集したデータから得られた所見を記す。 正中近辺の右中切歯部矢状断面の画像は、上下の顎骨のみならず、頸椎を広い断面積で映し出すことができ、内部の骨梁構造も検出できた。これに比較し、犬歯部の矢状断面では、椎骨へのプロジェクション範囲が著しく狭くなっていた。歯科用CBCT画像は、高解像度マイクロCT装置の画像と比較すると解像度は低いが、通常の医療用CT画像と比較すれば、数段に高解像度で骨構造が表されており、歯科用CBCTの解像度は、骨梁構造を描出可能であることが示された。 下顎基底骨内部には、太い骨梁がネットワーク状に連結している構造が明瞭に認められたが、上顎骨は、今回の画像においては、骨梁構造を詳細に検出することはできなかった。したがって、歯科用CBCT装置の解像度では、上顎骨においては、正確に骨梁構造を描出することは不可能であることが明らかとなった。これらの結果から、今後、対象としていくには、骨梁が太い下顎骨のほうが適していることになる。 また、通常の歯科臨床における撮影領域の中に、頸椎が含まれることも明らかとなった。正中部を検索対象とした場合には、かなりの面積の頸椎が対象内に含まれるため、関心領域としては正中部が望ましく、これにより、豊富な海綿骨を対象とした微細骨梁構造の検索が可能となろう。通常の骨粗鬆症診断は、腰椎の骨密度を用いて行われているが、同じ椎骨について詳細な微細骨梁構造を検索できれば、骨粗鬆症と関連したより微細な変化を把握することができることが期待されるとともに、そのごく微細な骨梁構造の変化をより早期に捉える事が出来る可能性が考えられ、来年度の課題としたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
歯科用コーンビームCTの機種変更があり、一時、コーンビームCT撮影のキャリブレーションや、ファントム撮影を行わなければならなかったため、研究進度の遅延を招いてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、さらにデータ例数をを増やすとともに頸椎についても検索をし、データをまとめ、論文を執筆する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
使用していたCT装置の故障や機種変更などで研究がやや遅延してしまった。 今年度は、データをまとめ、論文執筆に全力で当たる予定である。また、研究打ち合わせ、成果発表も行う予定である。
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Research Products
(2 results)