2012 Fiscal Year Research-status Report
レーザーアシストエッチングがセラミックスの表面構造特性と接着性に与える影響
Project/Area Number |
23592842
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
丸尾 幸憲 岡山大学, 大学病院, 講師 (60314697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 悟郎 岡山大学, 大学病院, 講師 (00172635)
入江 正郎 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90105594)
玉田 宜之 岡山大学, 大学病院, 医員 (90509499)
有馬 太郎 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (80346452)
皆木 省吾 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80190693)
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Keywords | セラミックス / レーザー / エッチング / 接着性 / 表面構造 |
Research Abstract |
近年,患者の審美性に対する要求の高度化や金属アレルギーの問題などからオールセラミックスによる補綴治療の頻度が増加している.オールセラミックスのフレーム材として用いられるジルコニアあるいはアルミナの表面処理としては機能性モノマー,金属プライマーあるいは酸性溶液などの化学的処理とともにロカテックやサンドブラストなどの機械的処理が極めて重要である.しかし,日常の補綴臨床においては,機械的処理によってセラミックス表面に生じるマイクロクラックが装着後の機能圧によって進展する可能性は否定できず,オールセラミックスを用いた補綴装置の破損という不安が残存しているのが現状である.一方,セラミックス材料のエッチングはその方向性によって,水平方向と垂直方向にほぼ同じ速度で均一にエッチングする等方性と,垂直方向のみにエッチングする異方性の2種類が存在し,Nd:YAGレーザと薬剤を併用したレーザーアシストエッチングは,ファインセラミックスに応用することが可能であることから注目を浴びている.そこで本研究課題は,フレーム材表面にマイクロクラックを生じることなく微細凹凸構造を形成することを目的として,レーザーアシストエッチングがジルコニアあるいはアルミナの表面構造特性に与える影響について解析するととともに,レーザーアシストエッチング後のフレーム材とレジンセメントとの接着性について検討を加えることを目的としたものである.本年度は,レーザー照射がジルコニア表面の構造特性に与える影響を検討するとともにリン酸およびフッ酸処理がセラミックスの表面構造に与える影響について検討を加えた.また次年度に計画している接着性の検討のための基礎的データを得るために,リン酸モノマーあるいはシランカップリング材の影響に関する実験を行い報告した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,実験計画に従い,順調に遂行できている. 研究分担者との連携も順調であり,本年度は途中経過について報告を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
セラミックス表面に対するレーザーアシストエッチングがレジンセメントとの接着強さに及ぼす影響を明確にするため,レーザーアシストエッチング照射後のジルコニアあるいはアルミナと接着性レジンセメントとの接着に関する構造学的ならびに理工学的性質について検索する.レーザーアシストエッチング法,サンドブラスト処理およびロカテック処理後の各至適条件による表面処理後,ロカテック処理を除いて超音波洗浄および96%のイソプロパノール清掃を行う.接着性レジンセメントには,セルフアドヒーシブ・レジンセメントとアドヒーシブレジンセメントを用いる.なお,必要に応じて各種プライマーを併用する.初期接着強さの評価として,各表面処理あるいはプライマー処理後,テフロンモールドを用いて接着性レジンセメントをセラミックスの被着面上に築盛(φ3.6mm×2mm)する.作製した接着試験体を37℃の蒸留水中に24時間浸漬後,万能試験機を用いてせん断接着力および引張り強さをクロスヘッド・スピード:0.5 mm/minにおいて測定する.また試験後の接着界面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて形態学的に観察する.接着強さの耐久性評価は,作製した接着試験体を37℃の蒸留水中に1,3あるいは6ヶ月浸漬および5℃-55℃の水中に60秒間周期で5000回,1万回,2万回の熱負荷を与えた後の接着後のせん断接着力および引張り接着強さを万能試験機を用いて測定する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度予定した物品費が,予定よりも安価に物品を購入できたため生じた残額(300円)は,次年度の物品費に使用する予定である.
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Research Products
(8 results)