2012 Fiscal Year Research-status Report
発汗波のパターン分析による顎顔面補綴患者の精神的ストレス評価
Project/Area Number |
23592846
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西川 悟郎 岡山大学, 大学病院, 講師 (00172635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸尾 幸憲 岡山大学, 大学病院, 講師 (60314697)
入江 正郎 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90105594)
小野 高裕 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (30204241)
皆木 省吾 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80190693)
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Keywords | 精神的ストレス / 発音 / 上顎腫瘍 / 顎義歯 |
Research Abstract |
上顎顎欠損患者が顎義歯装着によって構音機能の改善がはかられている場合においても,発語時における不満を患者が訴えることは臨床の場で経験されてきた.しかしこの不満感の客観的評価ができないため,これらの患者の不満感は見過ごされてきた.これらの患者の発語時における不満を客観的に評価することができれば,顎欠損患者(悪性腫瘍摘出患者)のQOL評価の観点から有意義である.24年度までに,患者の不満感を客観的に評価するために,流量補償方式換気カプセル型発汗計を用いた精神的ストレス評価システム「精神的発汗波パターン分析システム」を開発した.研究者所属機関の倫理委員会の承認を得た.25年度の研究実績として,1.上顎顎義歯を装着した上顎顎欠損患者(無歯顎者を除く)5名に対して,義歯を装着した状態,非装着の状態で日本語単音表と北風と太陽(イソップ童話)を音読させ,それぞれの状態における,手掌部から得られる精神的発汗波パターンのデータを採得した.同時に,義歯装着時,非装着時における発語明瞭度試験も併せて行った.なお,測定は,いずの場合も温度は23℃±5℃,湿度は65%RH±20%RHの室中で行った.また義歯に対する満足度に関してvisual analogue sclae(以下VAS)を用いた調査を行った. 2.対照のための被験者として,上顎に通常の部分床義歯を装着した患者5名に対しても1.の被験者と同様の測定を行った.なお1,2いずれの被験者も事前に研究の説明を説明し同意の得られたものとし,義歯作製は所属機関の咬合・義歯補綴科で行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上顎顎欠損患者と通常の上顎部分歯牙欠損患者が被験者として研究へ参加され,23年度に構築した精神的ストレス評価システムを用いて,発汗波データをはじめとする発音時における各種データの採得ができた. 以上のことから研究はおおむね順調に進展しているものと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
1.研究参加被験者の増加:できる限り参加者を募り,症例数の増加を図る. 2.測定値の分析 発音時における発汗波パターン,発語明瞭度,義歯満足度(VAS値)について,統計学的分析を行い,開発した精神的ストレス評価システムの有用性を立証する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.精神的ストレス評価システムの保守:センサー固定テープ,メディアなどの消耗品を購入する. 2.研究課題に関する調査,報告:研究課題に関連する学術大会に参加し,資料収集,成果発表などを行うための費用. 24年度に購入予定であった消耗品の使用量が予定よりも節約できた為に生じた「次年度使用額(B-A)」をこの費用に当てる. 3.プログラムソフト:統計学用ソフトの購入.
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Research Products
(5 results)