2012 Fiscal Year Research-status Report
革新的モーショントラッキング解析に基づいた新しいエピテーゼ製作法の開発
Project/Area Number |
23592851
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田地 豪 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 講師 (80284214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二川 浩樹 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 教授 (10228140)
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Keywords | 顎顔面補綴 |
Research Abstract |
現在のエピテーゼの問題は、顔面皮膚との境界部で顔面の動きに対応できていないことにある。このため、より自然な審美や表情の表現が十分にできていない。この問題の解決には、顔面の動きに同調する伸縮性材料の開発や、エピテーゼと皮膚とを接着させる新しい技法が必要であるが、そのためには、顔面皮膚の粘弾性特性や挙動の詳細を把握することが必要不可欠となる。しかしながら、この分野での研究はリアルタイムでの動作解析が困難なことから、ほとんどなされていない。本研究では、新しいモーショントラッキング解析を用いて顔面の動きを詳細に分析し、このデータ情報に基づいて新しいエピテーゼ製作法の開発を目指す。 本研究では研究期間内に以下の3点について明らかにする計画を立てた。すなわち、①顔面皮膚に近似した粘弾性特性を有するエピテーゼの開発、②顔面皮膚の動きに同調できる数種のエピテーゼ材料の試作、③顔面皮膚の動きと同調する新しいエピテーゼ製作法の開発、である。 本年度は、顔面皮膚の粘弾性の詳細を明らかにした。成人20名を対象として、顔面皮膚上の20点の硬度・弾性・粘性・tanδを測定した。その結果、硬度・弾性・粘性・tanδのいずれにおいても測定点間で値に差があることが明らかとなり、その値により顔面を3つのエリアに分けることができた。また、4種類のシリコーン材料と3種類のポリウレタン材料の円盤状試料を製作し、硬度・弾性・粘性・tanδの測定値と顔面皮膚の測定値を比較した。その結果、ポリウレタン材料の粘弾性特性は、顔面皮膚に近いことが示唆された。以上のことから、エピテーゼの物性を顔面皮膚に近づけるためには、ポリウレタン材料を用いることも有効な方法として考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
顔面皮膚や各種エピテーゼ材料の粘弾性試験の結果分析に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、モーショントラッキングシステムによる挙動解析を行うことで、顔面皮膚の挙動を明らかにし、エピテーゼ材料との同調性を解析する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
モーショントラッキングシステムを用いた解析を行うため、各種マーカーや記録装置が必要である。また、エピテーゼ材料の試料を作製するため、シリコーンやポリウレタンが必要である。これらの機器・材料を用いて研究を進める計画である。
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