2013 Fiscal Year Annual Research Report
抗菌剤を使用しない抗菌歯科材料の開発とその臨床への応用
Project/Area Number |
23592857
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
永留 初實 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30284516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧平 清超 九州大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (80304450)
諸井 亮司 九州大学, 大学病院, 助教 (70325471)
寺田 善博 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (30038898)
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Keywords | 唾液 / 抗菌性 / ラクトフェリン / 細胞毒性 |
Research Abstract |
実験1:細胞毒性試験:供試細胞はBalb/c 3T3 mouse fibroblast細胞を用い、実験試料は4、8 wt%樹脂を含む直径3 mm、厚さ6 mmのT-conを作製し、樹脂を含まないものをコントロールとした。細胞増殖度は濁度にて測定すること、また細胞形態観察は倒立位相差顕微鏡にて行った。細胞生存率=コントロールまたは実験群における細胞数/DMEMのみで培養した細胞数×100とした。 結果:T-conの80%溶出液に対する7日間培養ではコントロール試料で95.6±10.2%、4wt%試料で97.1±1.3%、8wt%試料で100.4±6.2%であった。すべての間に有意差はなかった(P>0.05)。毒性試験後の細胞像はコントロール試料と実験試料は同様な形態、増殖を示していた。3日間培養実験でも同様であった。これらの結果、抗菌性を示す樹脂含有T-conは細胞毒性がわかった。 実験2:色調安定性試験:実験試料は樹脂4、8 wt%含む直径10 mm、厚さ2 mmのT-conで、24時間後に各試料の測色結果はL*、b*、a*表色系の値で比較した。 結果:L*値はコントロール試料で77.0±1.1、4 wt%試料で76.9±0.7、8 wt%試料で77.6±1.6であった。a*値はコントロール試料で-1.75±0.11、4 wt%試料で-1.55±0.12、8 wt%試料で-1.45±0.20であった。b*値はコントロール試料で-0.91±0.14、4 wt%試料で-1.15±0.11、8 wt%試料で-1.12±0.23であった。すべての間に有意差はなかった(P>0.05)。これらの結果、樹脂含有T-conには色調変化が認は無く、T-conの色調に影響を与えないことがわかった。 以上2つの実験より、ラクトフェリン結合樹脂を含有するT-conは臨床使用に問題がないことが示された。
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