2013 Fiscal Year Annual Research Report
インプラント患者の咬合力調節機構-歯根膜とオッセオパーセプションの役割-
Project/Area Number |
23592860
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田中 美保子 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00304957)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥巣 哲朗 長崎大学, 大学病院, 講師 (80264258)
生駒 明子 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80420628)
山下 利佳 長崎大学, 大学病院, 助教 (50336179)
|
Keywords | 歯学 / 臨床 / インプラント / osseoperception / 咬合力 |
Research Abstract |
ベルギーのKUL大学と長崎大学と共同で実験を行った。 <方法>被験者は縦断研究では上下顎一方が天然歯で、対顎総義歯でその後固定式インプラントフルブリッジを予定する患者を、横断研究では全顎的インプラント補綴の患者を選択した。研究は1.GC社製オクルーザーを用い、咬合接触面積と最大咬合力を同時に測定し、2.GC社製グルコセンサーを用い、グミ咀嚼後の採取溶液のグルコース濃度を咀嚼能率とした。3.最後に同一形状で同一味覚の硬さの異なるグミ3種を5回咀嚼してもらい、最初のグミをコントールとして、残り4回の咀嚼でその硬さが、それと同じか、硬い、柔いの3つから回答後正解率を硬さ認知能とした。 <結果と考察>咬合接触面積(mm2)、最大咬合力(N)、咀嚼能率(mg/dl)、硬さ認知能(%)の4項目で、縦断研究は結果8名で、インプラント手術前、上部構造装着日、装着1-2週間後、装着3か月後の4回のデータを分析した。最大咬合力と咬合接触面積は,インプラント装着3ヶ月後に増加した(p<0.05)。咬合接触の増加と並行して咬合力は短期的に回復可能であるが,咀嚼効率は咬合力と連動していないことが示唆された。 横断研究は、歯牙対歯牙(T-T)11名、歯牙対インプラント(I-T) 11名、インプラント対インプラント(I-I)6名、義歯対インプラント(I-D) 11名の4群で、最大咬合力と咀嚼能率はT-Tに比べI-I, I-D群が低く(p<0.05)、インプラントの3群間で差はなかった。咬合接触面積もT-T群に比べI-I, I-D群は低かったが、I-TとI-I 群間で差を認めた(p<0.05)。硬さ感覚の認知能力はT-T群に比べ、I-T,I-D群は低いものの(p<0.05)、I-Iが T-T群とほぼ同様の結果を示した。咀嚼機能には歯根膜の関与が、硬さ感覚にはOsseoperceptionの関与が示唆された。
|
Research Products
(2 results)