2012 Fiscal Year Research-status Report
健康長寿をサポートする軟質リライン材の新型接着性モノマーの開発
Project/Area Number |
23592869
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
木本 統 日本大学, 歯学部, 講師 (10267106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 典宏 日本大学, 歯学部, 教授 (90112953)
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Keywords | 接着モノマー / 軟質リライン材 / 義歯 |
Research Abstract |
1.メチレン鎖長の異なる接着性モノマーの合成:床用レジンのメチルメタクリレートと重合可能なメタクリル基およびシリコーン系軟質リライン材中の水素シロキサンと重合可能なアリル基を分子内に有する接着性モノマーである3-メタクリロキシ-1-プロペンを合成を行った。 2.核磁気共鳴分光法(NMRS:Nuclear Magnetic Resonance Spectroscopy)によって分析し合成の確認:NMR分析の結果合成目的物質である3-メタクリロキシ-1-プロペンを確認することができたため、これを用いた引張試験を行った。 3.接着剤を用いた引張試験:合成後の接着性モノマーをメチルメタクリレートモノマーに配合した複合物をシリコーン系軟質リライン材とアクリルレジンの接着材として使用し、配合に応じた接着試験を実施した。既存の接着剤に比較した所接着力が弱い結果となった。引張試験は①37℃温水中に1日、1週、1か月、3か月、6か月間保管する条件と②5℃から55℃の水温で1000、10000、20000回のサーマルサイクルを負荷する2条件とした。各測定時期に10個の試験体使用し測定を行った。接着試験の結果、既存の接着剤に比較し接着力が小さい値を示した。また、肉眼にて破断面を観察したところ界面破壊が多く認められ、臨床に耐えうる接着力が得られていないことが明らかとなった。 4.今後の計画:配合比率を細分化することと、11-ハイドロキシ-ウンデセンの合成を行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、従来の軟質リライン材用に比較し接着力の強い接着性モノマーの開発を目的としている。目標とした接着剤(3-メタクリロキシ-1-プロペン)の合成は達成したが、その接着力が市販品に比較し劣り、本研究の目的を達成していないことが、研究の進捗状況が「やや遅れている」の評価の所以である。
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Strategy for Future Research Activity |
我々が使用する接着モノマーはメチルメタクリレートモノマーとの混合することで、使用するが、その配合比率によって大きく接着力が変化する。そこで今年度はその配合比率を細分化することで、至適配合率の再検討を行う。また、側鎖の長い11-ハイドロキシ-ウンデセンの合成を行い、NMRにて合成確認後引張試験を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.モノマー合成:試薬、ガラス器具2.NMR分析:液体窒素3.統計分析:分析用パッケージソフト4.学会参加旅費5.論文英文校正
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