2013 Fiscal Year Annual Research Report
間接修復用コンポジットのマトリックス制御による耐摩耗性向上
Project/Area Number |
23592871
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小泉 寛恭 日本大学, 歯学部, 講師 (20339229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 英雄 日本大学, 歯学部, 教授 (40199857)
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Keywords | 歯学 / 複合材料 |
Research Abstract |
間接修復用コンポジットは,現在国民の審美的な要求の高まりとともに,機能と審美性を兼ね備えた補綴装置である,硬質レジン前装冠の前装材料として,あるいは前歯,小臼歯部のジャケット冠の材料として広く臨床応用されてきている。間接修復用コンポジットは,同じ審美的材料である陶材と比して,築盛,携帯付与が容易である特徴を持っている。しかし,間接修復用コンポジットは,フィラーとマトリックスによる複合材料であるため,陶材と比較して,強度が十分ではなく,変色,着色,咬耗しやすい材料であるといわれている。間接修復用コンポジットの物性の向上は,フィラーの含有率の増加やマトリックスとフィラーの接着の強化,マトリックスの転化率の増加によって成し遂げられると考えられる。機械的物性の向上や耐摩耗性の改善に関する研究は,なされてきてはいるが,長期的な予後はいまだ不明な点があり,臨床的な観点からの諸性質の検討が必要であると考えられる。 本研究では,間接修復用コンポジットの構成成分の一つである,マトリックスに着目し,その転化率を制御することにより,耐摩耗性などの物性を向上させ,口腔内で長期間機能する補綴装置を国民に提供することを目途とした。 平成25年の成果は,転化率制御条件について, 従来の製造者指示にて重合をさせたもの,転化率を向上させるために,照射距離および光量を規定した。中間重合器の設定は,前年度に報告した光線距離,時間を設定し,機械的物性試験は,重合深度および深度ごとのヌープ硬さを測定した。 その結果,フィラーの含有率が高い間接修復用コンポジットは,中間重合器と高出力光線重合器を組み合わせた条件において重合深度の増加,ヌープ硬さの向上が認められた。
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