2012 Fiscal Year Research-status Report
AR(拡張現実)を用いた歯科ハンドスキルトレーニング支援システムの構築
Project/Area Number |
23592874
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
田中 昌博 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (60163573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏木 宏介 大阪歯科大学, 歯学部, 講師(非常勤) (00301648)
大河 貴久 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (20624943)
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Keywords | 拡張現実 / ヘッドマウントディスプレー / ハンドスキルトレーニング |
Research Abstract |
本年度は、昨年度製作した「支台歯形成 ARナビゲーション」のソフトウェアの改良、表示モデルの改良、更新およびハード面でヘッドマウントディスプレーを追加し、視認性の確認を行った。また、PCとの互換性の問題についても確認を行った。上顎右側中切歯の支台歯形成済支台歯の3次元モデルを、マイクロファーカスCTを用いてスキャニングし、ヴォリュームレンダリングを実施した。STL形式に変換後、PC上で3次元モデル上に、軸面および切縁の切削量に関する付加情報を表示できるよう表示画面の変更を行った。表示する3次元モデルに関して、モデルの色、文字の色および配置について、医員および技術者の計5名で討議し、暫間的な表示画面を製作した。表示画面は左目のみで視認できるよう設定した。システムに慣れれば、HMDはシースルー型であるため、両眼で形成用模型を目視し、情報を確認したいときに、意識を左目に移すことで情報を確認しながらの形成が可能となることが示唆された。本成果により、現状の形成中に教本および形成済み支台歯模型を確認するために、支台歯形成を中断する必要が無くなり、初学者にとって効率的な支台歯形成トレーニングが可能となる。実際の被験者において、意識のみスクリーンに移すことで情報を確認しながらの、支台歯形成が可能となれば、支台歯形成のみならず、他の診療行為に対しても、同じような情報付加が可能なシステムへと応用可能であり、さらにこの成果は意義深いものとなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、学生および研修医の被験者を対象とした効果の測定を行う予定であったが、HMDとの互換性および表示モデルの変更が必要となり、システム自体の変更に時間を要した。このため、研究計画全体を通して考えた場合、遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本年度で改良したシステムを被験者(学生および研修歯科医師の計10名)を対象として支台歯形成を実施し、支援システムの効果を測定する。また、それにより抽出された問題点についても、改良する予定である。改良に関しては、製作済みの3Dモデルの変更等も視野に入れて行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究では、システムの大枠を初年度において製作しているため、次年度の研究費の使用計画としては、システムの改良および論文の校正費等に充当する予定である。
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