2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23592876
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
川本 章代 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (50368156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉澤 達也 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 講師 (40313530)
岡崎 定司 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (80169094)
吉川 美弘 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (70434793)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ヒアルロン酸 |
Research Abstract |
これまで骨芽細胞のヒアルロン酸に対する影響について検索し、骨新生過程において特に初期段階つまり細胞の遊走、増殖に効果を示すことを明らかにしている。そこで、細胞周期に関係する増殖関連遺伝子の発現を検討したが、それらの遺伝子発現に差はみられなかった。ただ、細胞数がコンフルエントに近い状態での計測であったため発現がプラトーに達していた可能性があるため、細胞数と発現の傾向を経時的に検討していく予定である。増殖実験に使用したCellTiter96 AQueous One Solution CellProliferation Assayのキットを用いて濃度による影響を再検討したが、吸光度測定時に培地の色の影響が大きくデータが毎回大きくばらついたため試行錯誤したがPBSに変更して測定を行った結果、1.0mg/mlヒアルロン酸濃度において最も効果的に増殖が確認できた。また、同条件にてタイプIコラーゲンの発現が上昇傾向にあった。これまでの研究で骨芽細胞分化マーカーの遺伝子発現におけるヒアルロン酸の影響に差は認められなかったが、過去にその影響を認める報告も見受けられることから、オステオカルシンやRUNX2、I型コラーゲンなどの分化マーカーの発現ならびにALP活性の検索も行う予定である。また、遊走に関して血清の添加・無添加に関わらずヒアルロン酸添加培地への骨芽細胞の遊走が確認された。さらにポジティブコントロールである10%血清を含む培地よりもヒアルロン酸添加無血清培地において著明に骨芽細胞の遊走が認められたことから、遊走に関する細胞内シグナルや遺伝子発現なども検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の予定として、既に確認されているヒアルロン酸による骨芽細胞の増殖亢進の作用機序をまず確認するため、遺伝子・タンパク発現動態の検索を試みたが、増殖結果の再現性が得られず試行錯誤を繰り返した。手技を確立してからはスムーズに進み、遺伝子発現動態を検索している。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点においてヒアルロン酸の骨芽細胞増殖に対する細胞動態を検索しているが、これらの結果を踏まえて、歯根膜細胞でも同様の実験系を行っていく。その際ヒアルロン酸の分子量によっても細胞動態は異なるといわれているが、まずは分子量を一定にして濃度による変化を観察するものとする。また、成長因子の高分子多糖への混合も検討しており、遊走や増殖に関与する既知の因子との混合によって増強されるのかどうか検索する予定である。それには至適濃度の高分子多糖に成長因子を添加し、遺伝子発現・タンパク発現・ならびにコラーゲンゲル培養での動態を検索し、高分子多糖単体と比較する。また、口腔内への作用方法も検討していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に行う実験系として細胞培養、細胞増殖と遊走試験、PCRならびにウェスタンブロッティングである。細胞増殖試験にはCellTiter96、ならびに遊走試験にはカルセインで蛍光染色のちフルオロブロックインサートなどを用いる。細胞の遺伝子・タンパク発現にはRNA抽出試薬、RT試薬、qPCR試薬ならびに抗体である。学会参加などの旅費などは全体の5%以下にとどまる。使用の大半は試薬や器具などの消耗品である。
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Research Products
(1 results)