2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23592884
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩井 聡一 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (10362675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
明石 満 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20145460)
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Keywords | バイオマテリアル / 骨再生 / 吸収性人工骨補填材 / ハイドロキシアパタイト / アガロースゲル / 骨髄由来幹細胞 |
Research Abstract |
(1) 大阪大学歯学部倫理委員会において承認を得たプロトコールにしたがって臨床研究を遂行した。智歯抜歯、嚢胞摘出後の骨欠損に対し、HApゲルを単体で充填した。また、顎裂閉鎖骨移植に対して、オトガイ骨とHApゲルを混和して充填した。術前後の骨生成の評価はX線写真、CTの撮影によっておこなった結果、全例に骨生成が認められた。さらに創部治癒不全、術後感染、過度な骨吸収などの有害事象は認めなかった。18症例に施行し、臨床研究目標症例数20症例にほぼ到達した。特筆すべきことは、HApゲルを使用することにより、小児の顎裂患者への骨移植において、腸骨採取を回避することができた。すなわち、患者への手術侵襲及び身体的苦痛の軽減、入院期間の短縮、術後運動制限の大幅な緩和をもたらし、実用化に向けて進展することができた。 (2) ラット骨髄間葉系幹細胞をHApゲル上で培養し、細胞親和性、接着性や増殖性、骨芽細胞への分化能に及ぼす効果について解析し、in vitroにおける、HApゲルの組成や形状の至適条件を確立した。 細胞の増殖能及び親和性を増殖曲線やDNA量測定を指標に検討し、至適培養条件を決定した。さらに、骨分化誘導培地によって、アルカリフォスファターゼ活性(骨芽細胞への分化の指標)やオステオカルシンの発現量(骨分化の指標)を測定し、分化誘導能を測定した。カルセインの沈着量、アリザリンレッドS染色(骨基質のカルシウムを染色)、炎色反応によるCa量などを測定し骨の生成量を測定した。 (3) HApゲル上における骨髄間葉系幹細胞の骨細胞への分化と骨形成能を、ラットの頭蓋骨欠損モデルへの埋植を行うin vivoの実験を施行し、骨髄間葉系幹細胞と共に移植することによって、HApゲル単独の移植に比較して、骨生成の速度、量、骨質全てにおいて、優位であることが示した。研究内容は論文掲載され平成24年度研究成果として記載した。
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Research Products
(6 results)