2012 Fiscal Year Research-status Report
インプラントの初期固定を術前CT撮影から確実に予測する新規診断方法の開発
Project/Area Number |
23592885
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
十河 基文 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 招聘教員 (70314391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 誠大 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (20452451)
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Keywords | 初期固定 |
Research Abstract |
インプラント埋入手術後に良好な初期安定性を確保することは,即時荷重インプラント治療をはじめ,インプラント治療の初期治癒に重要であると考えられる.現在インプラントの初期安定性を確認する方法として,埋入トルク値やインプラント体のISQを測定することが挙げられ,その測定値に基づき,その後の治療方針の参考にしている。一方,これら初期安定性に対しては,手術手技,インプラント形状や骨質など様々な因子が影響を及ぼしていると考えられる.そこで本研究は,インプラント埋入時における初期安定性の事前診断を目的に,インプラント体の初期固定と埋入予定部位のCT値の関係について検討を行った.その結果,埋入窩周囲骨のCT値と埋入トルク値ならびにISQには有意な相関関係が認められた.また重回帰分析の結果,埋入トルク値およびISQに対してCT値,皮質骨幅が有意な説明変数となった.本研究により,埋入予定部位のCT値と埋入トルク値,ISQともに高い相関が認められることから,術前のCT値から初期固定値を予測できる可能性があると考えられる.また実際には皮質骨幅と高い相関が認められたことにより,視覚的にもある程度の初期固定値を推測できる指標となりえると考えられる
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度はCT値を利用した予測診断法の確立を予定しており、その基礎となるCT値と初期固定値との相関関係についての基礎実験が予定通り達成された。現在その結果に基づき、予測診断法を確立し、本方法を用いて豚大腿骨における初期固定値予測値と実測値の比較検討を行い、本予測法の精度を検証している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は予測診断法の確実な作成とその実証を当初の予定通り遂行する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.国内主要メーカーインプラントを使用した初期固定値予測診断法の検証 実験用インプラントにてCT値を用いた初期固定値の予測診断法の確立後、国内主要メーカーインプラントを使用し、同様の検討を行う。 2.予測診断法を利用したインプラント埋入の臨床応用 インプラント埋入を予定している患者に対して、診断上行ったCT撮影から得られたCT値から術後得られる初期固定値を予測し、最終的に得られた初期固定値との比較検討を行う 以上の研究から随時得られた科学的根拠を積極的に学会発表、論文投稿する。
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