2013 Fiscal Year Annual Research Report
DLC膜コーティングと化学修飾を併用したチタン製口腔インプラントの表面機能化
Project/Area Number |
23592895
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
遠藤 一彦 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (70168821)
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Keywords | DLCコーティング / ぬれ性 / 細胞付着 / 細胞増殖 / 抗菌性 |
Research Abstract |
平成25年度は、(1)表面粗さの異なるDLCコーティングしたTi試料に対する細胞の付着と増殖を調べること、(2)DLCコーティング層にラミニンを化学修飾し、上皮細胞の付着を促進する手法を確立することを目的とした。 鏡面に仕上げたTi試料(Ti-Smooth, Ra=2.2±0.1 nm)にDLCコーティングした試料(DLC-Smooth, Ra=2.2±0.1 nm)とブラスト処理したTi試料(Ti-Rough, Ra=366.2±15.1 nm)にDLCコーティングした試料(DLC-Rough, Ra=368.5±20.5 nm)を用いて、蒸留水に対するぬれ性の評価および細胞の応答を調べた。 その結果、DLCコーティン試料の接触角(θ)は53-59°であり、純Ti試料(28-32°)と比較して大きいことが分かった。表面粗さの影響は認められなかった。また、DLC-Smoothに酸素プラズマ処理を施すことによって、表面は超親水性(θ<5°)となった。各試料に対するヒト歯肉上皮細胞(HGEP)の72時間後の細胞付着数を調べたところ、疎水性を示したDLC-SmoothとDLC-RoughはTi-SmoothとTi-Roughと比較して、細胞数が約40%減少することが分かった。DLC-Smoothに酸素プラズマ処理を施しても、細胞数の増加は認められなかった。しかし、DLC-Smoothに酸素プラズマ処理した後、ラミニン-5を化学修飾した試料では、細胞数は増加しTi-Smoothと同程度となることが分かった。 さらに、インプラントのアバットメントに抗菌性を付与することを目的として、抗菌タンパク質であるラクトフェリンをDLC-Smoothに吸着させたところ、プラーク形成菌の一種であるS. gordoniiの付着数を著しく減少できることが分かった。
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