2013 Fiscal Year Annual Research Report
半経験的分子軌道法による歯科薬剤/材料の毒性評価と新規物質のデザイン
Project/Area Number |
23592898
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
石原 真理子 明海大学, 歯学部, 講師 (50095329)
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Keywords | QSAR / 半経験的分子軌道法 / イソキノリン / 分子デザイン / 口腔癌細胞 |
Research Abstract |
「研究の目的」は、半経験的分子軌道法による歯科薬剤/材料の毒性評価と新規物質のデザインのタイトルで、歯科薬物/材料などの毒性および生物学的活性能と化学構造との相関関係(QSAR)を三次元での分子の形(分子の表面積、体積、長さ)で検証し、新規化合物のデザインをすることである。 「研究計画」は、データベース化されているフェノール化合物の細胞毒性をもとにQSAR解析を行うこと、および口腔癌に活性を有する新規化合物をデザインすることである。 「研究成果」フェノール類の活性酸素除去能力はその還元力にある。その還元性発現の基本はフェノール性水酸基の酸化である。最近フェノール類(フラボノイド)の酵素酸化で中間体として不安定なオルトキノンが生じていることが分かった。このキノン型は細胞毒性が強いとされている。フェノール類の酸化機構の酵素酸化と化学酸化による違いを半経験的分子軌道で検証し、酵素(生体内)酸化と化学酸化(生体外)酸化反応機構が異なることが前年度の結果からさらに推定でき、このキノイド型が炎症の原因に関係していることも考えられた。新規化合物のデザインは1,2,3,4-テトラハイドロイソキノリン類(TQ)で行った。新規合成したTQ類と口腔扁平上皮癌細胞の傷害活性のQSAR解析を行った結果をもとに、口腔扁平上皮癌に活性が見られた化合物をリード化合物として60種類の新規化合物のデザインをおこなった。これらの化合物の物理的分子記述子からより細胞傷害活性が期待される化合物を選定した。
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