2011 Fiscal Year Research-status Report
間葉系細胞SelectivePluripotencyModulatorの探索
Project/Area Number |
23592912
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
瀬戸 一郎 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30582390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 徹 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20359623)
阿部 雅修 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10392333)
古賀 陽子 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10392408)
小川 卓也 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50401360)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 再生医学 / 骨 / 軟骨 |
Research Abstract |
口腔外科臨床における患者の負担軽減ならびに移植成績向上を目指して、β-TCPやPRPを腸骨などに混ぜて移植する治療などが行われてきたが、必ずしも十分満足のいく成績が得られていない。そのため、必要最小限の組織採取で移植を可能とする再生医療技術の導入に向けてさまざまな研究が行われるようになってきた。しかし、再生医療における最も有力な細胞源である間葉系細胞の欠点である継代による分化能の低下という欠点は未だ解消されていない。そこで、本研究では間葉系細胞分化多能性維持に重要かつ臨床応用にあたって安全な因子を同定することにより細胞数の限界という問題を解消し、骨・軟骨再生医学の適応範囲を広げることを目的とする。今年度は、間葉系細胞に対して、各種ベクターを用いて間葉系細胞分化多能性維持因子を導入して作成した間葉系細胞分化多能性維持因子導入細胞(分化多能性維持因子導入細胞)と非導入細胞を用いて、間葉系細胞分化多能性維持因子の下流遺伝子を網羅的に検索した。具体的方法としては、分化多能性維持因子導入細胞と非導入細胞との間で発現変化が認められる遺伝子を検索するために、マイクロアレイ法を行った。マイクロアレイ法によって遺伝子発現に増加あるいは減少が認められた数千の遺伝子については文献的考察をもとに候補を絞り込んでいる途中である。その候補のうちのいくつかに関しては、real time PCRで結果を検証するとともに、既知のデータベースとの比較を行っている。この作業を通じて癌化をはじめとした様々なシグナルネットワークにおける位置付けを確認して、臨床応用に際して安全性が高いと想定される因子の選択を実行している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
間葉系細胞分化多能性維持因子導入細胞(分化多能性維持因子導入細胞)と非導入細胞との間で発現変化が認められる遺伝子を検索するために、マイクロアレイ法を行い、両者において遺伝子発現に増加あるいは減少を認める遺伝子(数千遺伝子)を見出した点で、当初の計画はおおむね順調に進展しているものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
実際に臨床応用可能な、効果選択性の高い間葉系細胞分化多能性維持因子の下流にある安全な因子(Selective Pluripotency Modulator: SPM)を同定するために、昨年度の研究成果を基に候補分子の絞込みを行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究のために必要な設備、備品は既に研究者の教室で所有しているため、新たに設備、備品を購入する必要はない。したがって、本研究費は主として実験試薬などの消耗品と情報収集・成果発表のための旅費に充当する予定である。
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Research Products
(2 results)