2012 Fiscal Year Research-status Report
ヒト骨髄由来間葉系幹細胞を用いた安全・安心な細胞治療を行うための基盤整備研究
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23592923
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡本 康正 広島大学, 病院(歯), 病院助教 (40423371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 英見 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 教授 (40161765)
岡本 哲治 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 教授 (00169153)
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Keywords | 歯学 / 再生医学 |
Research Abstract |
顎骨より採取した骨髄液中に存在する骨髄細胞を含む骨髄液を無血清培地にて初代培養を試みた。先行研究で開発したLekemia inhibitory factor (LIF) を除去したマウスES細胞用に開発された無血清培地ESF7にFibroblast growth factor - 2 (FGF-2) およびヘパリンを添加した培地を用いたところ、十分な増殖能を有する骨髄細胞を培養することが可能であった。詳細な培養条件の検討は、臨床試料を用いた初代培養では難しいことから、樹立骨髄由来間葉系幹細胞 (MSC) を使用して検討を行った。 MSC細胞株についてヒトES細胞用無血清培地からFGF-2およびヘパリンを除いたhESF7培地を用いてFGF-1,FGF-2、LIF、TGF-β1、アクチビンA、ヘパリンの細胞増殖能への影響を検討した結果、FGF-2、TGF-β1およびヘパリンがMSCの細胞増殖に関与することが明らかとなった。 前年度にhESF7培地にFGF-2およびヘパリンを添加したhESF9培地、hESF9培地にTGF-β1を加えたhESF10培地および血清添加培地であるPOWERDBY10間でのヒトES細胞の未分化マーカーであるNanog、Oct3/4、Sox2、hMSCマーカーであるCD90、CD105、integrin β1、type I collagenの発現を比較検討したが、増殖能を比較したところ、hESF9培地では血清添加培地ほどの増殖が得られず、一方、hESF10培地では血清添加培地と同程度の増殖が認められた。 これらは、感染因子の混入防止としての空調管理をはじめ、種々の機器管理、個別化したインキュベータの使用による徹底した管理体制のもとで研究を行った。管理体制、培養技術は年々向上しており、充分な細胞の品質管理が可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
間葉系骨髄幹細胞の未分化状態を維持する培養条件の確立については、種々の遺伝子発現、細胞の増殖能についての検討を重ねているが、無血清培養下での条件ではまだまだ満足できる状況とは言えない。管理体制、培養技術は向上しており、細胞の品質管理が可能である体制ではあるものの、今後幹細胞を利用した再生医療を実施するためには、抗原性、病原性を持つ感染因子の除去や骨髄由来幹細胞におけるin vitro、in vivoでのさらなる遺伝子発現、分化制御機構、分化制御機構、形質転換を検討する必要があり、癌遺伝子、癌抑制遺伝子の発現を解析し、ヌードマウスを用いて造腫瘍性の有無を検討する必要がある。施設面では、環境整備や細胞の品質管理については、徹底したリスク管理を追求していかければいけない。
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Strategy for Future Research Activity |
幹細胞を利用した再生医療を実施する上で、細胞の品質管理、倫理規定の標準化および細胞の機能を評価するシステムを確立することは必要不可欠である。今後は、抗原性、病原性を持つ感染因子の検討およびin vitro、in vivoでの分化制御機構、形質転換を 検討して、癌遺伝子、癌抑制遺伝子の発現を解析し、ヌードマウスを用いて造腫瘍性の有無を検討する必要がある。幹細胞を利用しての将来の再生医療が行われるためには、ヒト骨髄由来幹細胞を骨髄幹細胞マーカーの発現、細胞未分化マーカーを用いた未分化性を検討し、その分化制御機構を解明し、分化をコントロールする必要がある。従ってヒト骨髄由来間葉系幹細胞の分化能および増殖能について、様々な角度から検討する。また、施設面の環境整備、細胞の品質管理については、現状以上を目指して徹底的に行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究計画を実行するにあたり、培養用試薬、遺伝子実験用試薬、プラスチック製品、ガラス製品等の消耗品は必要不可欠であり、学会発表、調査、資料収集等において研究経費を必要とする。ヒト骨髄幹細胞の培養に必要なクリーンベンチ、CO2インキュベータ、遠心機、顕微鏡、Coulter Counter等はヒト細胞培養室にすべて現有しており、分子生物学的探索を行うためのサーマルサイクラー、シークエンサー、Real time PCR法による解析を行うための定量的遺伝子増幅装置等も共有施設には設置されており、それらの使用にあたって消耗品を経費として必要とする。また、in vivoでの分化制御機構、形質転換を検討して、癌遺伝子、癌抑制遺伝子の発現を解析し、ヌードマウスを用いた造腫瘍性の有無を検討するため、これらの部分においても研究経費が必要不可欠である。
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