2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23592926
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
山田 朋弘 高知大学, 教育研究部医療学系, 准教授 (60335619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 哲也 高知大学, 教育研究部医療学系, 教授 (00200824)
笹部 衣里 高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (40363288)
李 康広 高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (70587526)
大野 清二 高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (40624995)
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Keywords | 口蓋裂 / 酸化ストレス / 口蓋骨 / 軟口蓋 / TCDD |
Research Abstract |
初年度である2011年度は,まずマウスへの酸化ストレス誘発剤投与による口蓋裂発生と生体内酸化ストレスの検討を行った。酸化ストレス誘発剤として, 2,3,7,8-tetracgrolodibenzo dioxin (TCDD),ステロイド(プレドニゾロン)およびlipopolysaccharide (LPS)とD-ガラクトサミンを使用した。各薬剤は妊娠12日目に胃管あるいは腹腔内注射により投与した。胎生18日目に母獣を安楽死させ,母体肝臓,胎盤,胎仔肝臓,胎仔口蓋組織を摘出し,実験に供した。その結果,TCDDでは40μg/kgでほぼ100%口蓋裂が発症したが,プレドニン10mgでは平均43%の発症率であった。一方,LPSはD-ガラクトサミンを加えても,胎仔死亡率が上昇するだけで,ほとんど口蓋裂は発症しなかった。従って,母体内(特に肝)だけでの酸化ストレスでは口蓋形成に大きな影響はないと考えられた。 そこで,2012年度はTCDD投与マウス胎仔の口蓋試料より連続切片を作成し酸化ストレスのマーカーである4-ヒドロキシ-2-ノネナール(4-HNE)の発現を確認した。従って酸化ストレスモデルとして,以後TCDD投与マウスを用いることとした。TCDD投与マウスでの胎仔口蓋組織の連続切片を作製し,骨関連タンパクであるRunx2,Osteopontin,ER-α,および筋芽細胞の分化マーカーであるMyoDおよびDesminの免疫染色を行った。その結果,いずれのタンパクにおいてもTCDD投与群での低発現が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初LPSでの口蓋裂誘発を予想していたが,実際の実験では発症しなかったため,研究計画の一部変更が必要になった。しかし,TCDD投与による酸化ストレスに焦点を絞ったところ,仮説通り口蓋骨や筋の形成を抑制していることが明らかになりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,酸化ストレス誘発剤としてはTCDDを中心に解析を継続していく。特に骨芽細胞および筋芽細胞の分化マーカーについてはwestern blot法等による半定量的解析を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.口蓋骨および筋形成過程のマーカーの定量的検討 口蓋組織中の口蓋骨および軟口蓋相当部の細胞を回収し,各種骨および筋形成マーカーの発現を検討する.まず,口蓋組織より未固定凍結切片を作製する。この際切片厚は10μm程度とし,マイクロダイセクションにより組織を回収する。得られた細胞よりタンパクを回収し,Western blotにて上記の各種マーカーのタンパク発現を半定量化する。 2.研究成果のまとめ これまでの研究成果をまとめ,英文学術雑誌に投稿するとともに学会発表を行う。
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