2011 Fiscal Year Research-status Report
口腔扁平上皮がん細胞の上皮増殖因子による増殖調節機構の解明
Project/Area Number |
23592927
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安部 喜八郎 九州大学, 大学病院, 准教授 (20117055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 祐之 熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (80037506)
中村 誠司 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (60189040)
森田 浩光 九州大学, 大学病院, 助教 (30380463)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / 細胞増殖 / EGF受容体 / 浸透圧感受性クロライドチャネル |
Research Abstract |
本年度は、口腔扁平上皮癌細胞(HST-1)における1)上皮増殖因子(EGF)受容体による浸透圧感受性クロライドチャネル(VSOR)へのシグナル伝達機構の解明、2)EGF受容体活性化による細胞内シグナル伝達系及びVSORによる細胞増殖への効果、3)VSOR分子実体の解明、4)口腔扁平上皮がん組織でのVSORの発現及び分布の検討、を目標に実験を遂行した。ウエスタンブロット法により、EGF受容体はEGF刺激だけでなく、浸透圧刺激だけでもリン酸化することが判明し、その下流としてAktおよびERK(MAPK)の両者が時間的な差はあるもののリン酸化されることが判明した。VSOR阻害薬であるDCPIB存在下では、浸透圧刺激のみに比してERKのリン酸化は顕著であったことから、EGF受容体とVSORの間でのシグナル伝達機構には、主にERK(MAPK)が関与していることが示唆された。さらに、興味深いことにDCPIB(>30microM)投与により、培養下にHST-1は顕著な細胞死が観察された。またVSORの分子実体と考えられるTMEM16AおよびClC-3のsiRNAを用いてをノックダウンしたところ、パッチクランプ法により、TMEM16Aの場合のみVSOR電流の顕著な抑制が観察された。以上の結果の一部は第53回歯科基礎医学会にて発表した。従って、1)~3)に関してはかなりの成果が得られたと自負している。4)に関しては、現在、免疫染色の条件を検討しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
口腔扁平がん細胞におけるEGF受容体ーVSOR調節機構の大まかな全容は知ることができた上に、VSORの分子実体も概ね明らかにすることができた。以上のことから、本研究は概ね順調に進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度にやり残していた組織免染の実験を進めるとともに、本年度より、EGF受容体及びVSORの口腔扁平上皮がん組織での発現及び分布の悪性度を含めた検討も追加項目とし、実験を進める。尚、現在まで明らかとなった事項に関しては、積極的に学会発表および論文投稿を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度の研究費は、主に消耗品費、機器借用費として使用する。便宜、必要があれば主要な学会にて発表するための旅費として使用する。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Dual signaling pathways of arterial constriction by extracellular uridine 5'-triphosphate in the rat.2011
Author(s)
Sugihara M, Morita H, Matsuda M, Umebayashi H, Kajioka S, Ito S, Nishida M, Inoue R, Futatsuki T, Yamazaki J, Mori Y, Inoue R, Ito Y, Abe K, Hirata M
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Journal Title
J Pharmacol Sci
Volume: 115
Pages: 293-308
DOI
Peer Reviewed
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