2012 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌の化学療法における口内炎に対するG-CSF含嗽製剤の有用性に関する検討
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23592931
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
渡貫 圭 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (50298907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤内 祝 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50172127)
光藤 健司 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (70303641)
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Keywords | 化学療法に伴う口内炎 |
Research Abstract |
研究は癌化学療法による口内炎患者で有害事象grade3以上に至る重傷例であり、G-CSF含嗽薬の投与による口内炎治療の有用性を検討するものである。投与薬剤はフィルグラスチムであるが、近年細胞上皮の分化・増殖促進効果が明らかになり、口腔粘膜上皮再生に関しても期待できるとの報告もある。本研究は口内炎患者の粘膜上皮の分化・増殖を目的にフィルグラスチム含嗽を開発し、その有用性を検討するものである。方法は口腔癌に対して全身化学療法(ドセタキセル、シスプラチン、5FUの3薬剤投与)を施行する症例で有害事象の口内炎がgrade3以上の重傷例を対象とした。平成24年は25症例を行い、フィルグラスチム300μグラム分4、75μグラム分1、プラセボ群をランダムに割り付けを行い、投与期間5日間の評価を行った。評価は含嗽治療前後においての口内炎の改善度、疼痛の改善度、摂食状況の評価、在院日数と統計学的(二重盲検比較試験)に有効性を検討した。現在までの結果はフィルグラスチム300μグラム分4群は全症例口内炎gradeの改善を認め、疼痛改善もVAS50%以上改善が全症例であった。一方プラセボ群(既存の含嗽剤)は全症例5日間では改善はなく、悪化症例もみられた。疼痛もVASで改善症例はみられなかった。中間報告で統計的な解析はできないが、フィルグラスチム300μグラム分4では既存の含嗽剤より著しい効果がでているものと思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
症例は残り10症例で順調に進んでいる。研究内容も著しい効果が示されており統計学的な考察でも十分有意差がでる印象である。
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Strategy for Future Research Activity |
上半期で施行症例10症例を終了させ、集積データの全データを被験薬割り付け表を開封し、フィルグラスチム300μグラム分4、75μグラム分1、プラセボ群をランダム三者のそれぞれの比較有意性を検討する。解析方法は多重比較試験FisherのLSD法により群間解析を行う(危険率5%)。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度もフィルグラスチム、基剤、容器購入が主である。学会発表、論文発表にも使用する
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