2013 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌の顎骨浸潤・骨破壊に対するPTH・COX-2による新たな治療戦略
Project/Area Number |
23592945
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
里見 貴史 東京医科大学, 医学部, 准教授 (70276921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
續 雅子 東京医科大学, 医学部, 助教 (40385092)
虻川 東嗣 東京医科大学, 医学部, 助教 (50453717)
渡辺 正人 東京医科大学, 医学部, 講師 (40349460)
長谷川 温 東京医科大学, 医学部, 助教 (50424619)
水口 純一郎 東京医科大学, 医学部, 教授 (20150188)
近津 大地 東京医科大学, 医学部, 教授 (30343122)
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Keywords | 口腔癌 / 顎骨浸潤 / COX-2 / PTH |
Research Abstract |
口腔癌の顎骨浸潤におけるCOX-2を介するシグナルによって調節されるPTHの多彩な作用を解明し、新たな治療法の可能性について検討した。In vitroで2種類の顎骨浸潤能が異なるマウス扁平上皮癌細胞株(NR-S1, SCCVII)のCOX-2とPTHrPの発現量を比較した結果、COX-2 発現量はSCCVIIでNR-S1の約2倍、PTHrP発現量はNR-S1でSCCVIIの約3倍であった。In vivoでは顎骨浸潤モデルを作製し、実験群はNR-S1移植の顎骨浸潤モデルをCOX-2阻害剤投与群と非投与群の2群とし、SCCVII移植の顎骨浸潤モデルも同様に2群に別け計4群とした。解析項目は腫瘍体積、TRAP染色による破骨細胞数とマイクロCTによる顎骨破壊の解析および腫瘍の顎骨浸潤部におけるIL-6, PTHrP, TNF-α, RANKL, RANK, OPGの発現をRT-PCRで測定した。腫瘍体積は、NR-S1, SCCVIIの両移植群ともCOX-2阻害剤投与群が、非投与群に比較して腫瘍増殖の抑制が認められた。COX-2阻害剤を投与し、COX-2の発現を抑制した状態で、PTHrP産生能の違いのみで比較すると、PTHrP高発現のNR-S1移植群は低発現のSCCVII移植群に比して破骨細胞数の増加と高度な顎骨浸潤の形成を認めた。PTHrP高発現のNR-S1移植群のCOX-2阻害剤非投与群においてRANKL, RANK, IL-6, TNF-αのmRNA発現量がPTHrP低発現のSCCVII移植群のCOX-2阻害剤投与群に比較してやや高い傾向がみられているが、結果を得られていない。そのため、現在も再実験中である。 破骨細胞関連サイトカインの発現解析が口腔癌における顎骨浸潤能の評価に有用と思われ、またCOX-2によるPTHrP発現を抑制することは新たな顎骨浸潤の治療になりえると考えられた。
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