2014 Fiscal Year Annual Research Report
ハイドロキシアパタイト骨補填材の骨親和性に対するCOX-2の役割
Project/Area Number |
23592946
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
長谷川 温 東京医科大学, 医学部, 助教 (50424619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近津 大地 東京医科大学, 医学部, 教授 (30343122)
虻川 東嗣 東京医科大学, 医学部, 助教 (50453717)
松尾 朗 東京医科大学, 医学部, 准教授 (70229417)
仲井 孝之 東京医科大学, 医学部, 助教 (70349471)
里見 貴史 東京医科大学, 医学部, 准教授 (70276921)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | ハイドロキシアパタイト骨補填材 / cox-2ノックアウトマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
顎口腔領域の骨欠損治療に伴う骨造成においては、複数の因子によってその成績が左右されるため、ときに理想とする骨質や骨量を獲得できない場合がある。骨誘導能・骨形成能を期待できることから、自家骨移植による骨造成術が理想ではあるが、自家骨採取のために過大な侵襲を課さなければならないことがある。そこで本研究ではとりわけ歯科インプラント治療における骨造成に広く用いられるハイドロキシアパタイト骨補填材の骨親和性を、特にシクロオキシゲナーゼ2(cyclooxygenase-2; COX-2)との関連に注目して解析し、補填材周囲の骨反応におけるCOX-2の役割を検討した。 本研究は主にワイルドマウスおよびCOX-2ノックアウトマウスにハイドロキシアパタイト骨補填材を填入してこれらの骨親和性に対するCOX-2の役割を放射線学的、病理組織学的に検討した。放射線学的には、ワイルドタイプおよびCOX-2ノックアウトマウスで有意な差は認められなかった。病理組織学的にはGMA樹脂ブロックを作製後、ミクロトーム(LEICA RM2255)にて厚さ3マイクロメートルに薄切、HE染色標本、TRAP染色標本、von kossa染色標本、TRAP染色標本を作製し、それぞれを観察した。その結果、いずれでも埋入したハイドロキシアパタイト骨補填材の気孔部分には骨髄細胞と思われる細胞が侵入しており、埋入物を足場とした骨新生がみとめられた。新生骨の大部分が石灰化していたがcox-2ノックアウトマウスにおいては類骨がほとんどみられなかった。以上より、補填材周囲の骨反応にcox-2が関与する可能性が大いにに示唆された。
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