2012 Fiscal Year Research-status Report
骨髄幹細胞移植を用いた口腔の増殖性病変における細胞分化の分子調節機構の解明
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23592951
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
川上 敏行 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (80104892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 敬介 松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (10325095)
富田 美穂子 松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (00366329)
辻極 秀次 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (70335628)
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Keywords | 骨髄幹細胞 / 腫瘍 / 増殖性病変 / 組織修復 / 再生 |
Research Abstract |
昨年に引き続き、GFPトランスジェニックマウス由来骨髄移植マウスの作製、および組織損傷モデル動物の作製を行い、歯牙および歯周組織を構成する細胞ならびに骨髄幹細胞の生体内における動態と分化に関する研究を行った。傷害性刺激を加えた歯周組織における細胞動態においては、メカニカルストレス付与後の歯根膜組織において歯根膜線維芽細胞および骨芽細胞にRunx2、Msx2、ALPの局在と陽性反応増強を確認しているが、これらに加え、HSPや神経内分泌関連因子の発現増強も生じていることを確認した。さらに、これらの因子が歯周組織の恒常性維持や組織修復、細胞分化に密接に関与していることを示した。これらのモデル動物の解析結果から、骨髄幹細胞が抹消組織へ移行して骨芽細胞、破骨細胞、歯根膜線維芽細胞、および歯髄細胞に分化することを確認し、前駆細胞となる骨髄幹細胞は、歯周組織では主に細胞増殖の盛んな部位に集中的に生着することを明らかにした。またこられ一連の細胞動態に神経系の細胞が関連していることを示した。増殖を伴う組織変化においては骨髄幹細胞の局所への遊走と分化が重要な役割を持つ事を示しており、いわゆる増殖性病変の生物学的性格の確立にも骨髄幹細胞が密接に関与している可能性を示した。歯原性腫瘍においても引き続き、先に挙げた細胞分化関連因子や増殖関連因子の動態を検討しその細胞分化と増殖の機構を検討している。当該年度の研究成果から、骨髄幹細胞の末梢局所への分布と分化をコントロールできる可能性が具体性を増した。適切な強度のメカニカルストレスもしくは傷害性刺激を組織に加える等の方法により、効率的な幹細胞の局所への誘導、組織修復の促進や増殖性疾患の増殖抑制などが可能になると考えられる。当該年度に得られた新知見を元に申請者らはさらに効果的な幹細胞誘導法を検索中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GFPトランスジェニックマウス由来骨髄移植マウスの作製、織損傷モデルマウスの作製ともに成功し、これらの実験動物を用いて順調に実験を行っている。平成24年度は、23年度に引き続き、組織の増殖性変化、組織修復や再生に関わる因子の検討を主に歯周組織を構成する細胞に主眼を置いて詳細な検討を行った。また、エナメル上皮腫をはじめとする主要な歯原性腫瘍に関しても細胞分化や増殖に関与する因子の検索を行っている。これらの研究成果は学術雑誌と国内外の学会発表で出版公表しており、実施計画の点からも公費研究としての観点からも順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
組織修復、リモデリング、再生、増殖性疾患における骨髄幹細胞に動態を昨年に引き続きさらに詳細に分析する。細胞増殖を伴う組織変化における骨髄幹細胞の局所への侵入と生着、分化誘導、増殖に関する新知見が得られたことから、この点を中心に骨髄移植動物および代表的な歯原性腫瘍を中心とした増殖性疾患に対して詳細な検討を加えていく。これにより効果的な組織再生治療法や歯原性腫瘍をはじめとする腫瘍性病変、増殖性病変の制御法の開発につながる成果を得たい。また、これらの技術の発展応用となる外傷による組織傷害の修復に関する新規治療法の可能性についても検討したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度における研究の進展状況は良好である。研究の内容はこれまの研究内容の解析と成果の公表にシフトしている。当該年度で得られた新知見は研究のスケジュールに大きく影響している。即ち、この新知見をさらに掘り下げる必要があり、当該年度に既存データに見落としがないか充分な解析を行い、次年度は新知見に関する研究を重点的に行うことにし、研究予算使用スケジュールに若干の変更を行った。その結果、次年度使用額が生じることになった。次年度使用額は本年度の研究費と合わせ、骨髄幹細胞の局所への侵入と生着、分化誘導、増殖に関する新知見の検証とその詳細の解明に使用する。
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Research Products
(10 results)
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[Book] Pathological Basis of Root Canal Restoration -Using Calcium Hydroxide Paste-2012
Author(s)
Antoh M, Fuchino T, Fujii H, Hasegawa H, Kawakami T, Machida Y, Mizutani T, Nakamura C, Nakano K, Ochiai T, Sato M, Shibuya T, Takei N, Teramoto S, Tomida M and Yumii T
Total Pages
232
Publisher
IDP Publishing Inc.