2013 Fiscal Year Annual Research Report
| Project/Area Number |
23592952
|
|---|
| Research Institution | Kinki University |
|---|
Principal Investigator |
中原 寛和 近畿大学, 医学部附属病院, 准教授 (70324796)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古郷 幹彦 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (20205371)
佐伯 万騎男 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30273692)
松岡 裕大 大阪大学, 歯学研究科(研究院), その他 (50448148)
|
|---|
| Keywords | 浸潤・転移 / 口腔癌 / レプチン遺伝子 / 上皮間葉移行 |
|---|
| Research Abstract |
われわれは口腔扁平上皮癌の治療を目的に、治療に応用し得る分子標的薬の開発を目的に研究を行ってきた。癌細胞が細胞外基質を分解する過程は、癌細胞の浸潤・転移に最も重要な過程であると考えて今まで低分子GTP結合タンパクの解析を行ってきた。その中でｒho,rac,cdc42が細胞の形態維持及び細胞運動に大きな役割を果たすことを報告してきた。さらに今回はその延長上にクロマチンリモデリング因子として知られているreptin遺伝子の解析を行った。reptin遺伝子は癌転移抑制遺伝子の発現を抑え、癌の浸潤・転移を制御するという報告がなされているがその詳細な役割はいまだ不明である。そこで、2種類のヒト口腔扁平上皮癌由来細胞株であるOSC-19細胞およびOSC-20細胞を用いてreptin遺伝子をノックダウンし、その機能解析を行ったところ、両者とも遊走能の亢進と細胞形態の紡錘形変化を認めた。加えて上皮系マーカーであるE-cadherinの発現が低下と間葉系マーカーであるN-cadherinの発現の上昇を認めた。以上のことからreptin遺伝子は上皮間葉移行（Epiehtlial Messenchimal Transiｔion)に関与することで口腔扁平上皮癌細胞の基底膜浸潤を制御する可能性が示唆された。今後この分子が一時治療の後、転移を抑制し得る分子標的薬として臨床応用可能かどうかの検討を行う予定である。
|
